あとは大掃除を残すのみ。
え、今年の進捗?成果?論文?なんのこと?
てかさー、論文とか書くのめんどくさくね?_(:3 」∠)_
こっちは一応それなりにやってるんだからさー。
データとかそんなんまとめなくても成果的には出てるんだからもう論文とかなくても相手の脳内に直接届くとかそういう発明ないの?
とまあ、論文書くのめんどくさいデータ集めめんどくさいとかそういうグータラな理由はさておき、学術研究成果は先行性が極めて重要。結果が出ただけでは当然論文にはならないので再現性やらデータやらを全部かき集めて初めて論文にできるわけです。しかしそうするには当然時間もかかるので、この間にだれか出したりしないかなど色々悶々とすることにはなります。
というわけで結果が出たら即報告したい気持ちにもなりはします。もちろん学会での発表を先行してやればいいんですけど、やっぱり発表するなら論文で。
まあ、さすがに上記のような脳内ダイレクト成果報告とかはないですが、
中にはその成果の論文を出す前に別の論文でデータもなくこっそり公開して、なんとなくプライオリティを確立している(と思われる)例があったりするので紹介してみます。
いったいデータも出さないのに、学会発表でもなく成果を公表するというのはどういうことなのでしょうか。そのカギは論文のreference欄。この部分は参考文献だけでなく、論文に関係ある、本文に書くほどでもないことを書くことができるのです。
たとえば、Albert Padwaらのストリキニーネの全合成速報版のリファレンス(22)番にはこんなことが書いてあります。
Total Synthesis of (±)-Strychnine via a [4 + 2]-Cycloaddition/Rearrangement Cascade
Albert Padwa et al.
Org. Lett. 2007, 9, 279-282.
------------------------------------------------------
(22) A similar approach was successfully employed in a synthesis of strychnopivotine (2), and this will be described at a later date.
------------------------------------------------------
と、論文本体では絵でしか触れていないストリキノピボチンという化合物の全合成を達成したことを、こっそり報告しています。もちろん実験項にはこれ関連のデータはありません。
いいこと聞いた、この手を使おう╭( ・ㅂ・)و (いつ?)
もう一つはJeff Aubeらの論文。Schmidt反応を用いたステモナアルカロイド類の全合成論文のフルペーパーなのですが、そのなかのref4番にこんなことが書いてあります。
Syntheses of the Stemona Alkaloids ((±)-Stenine,((±)-Neostenine, and ((±)-13-Epineostenine Using a Stereodivergent Diels–Alder/Azido-Schmidt Reaction
Jeffrey Aube et al.
J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 6018-6024.
----------------------------------------------
(7) Professor Kevin Booker-Milburn and coworkers have recently completed an independent synthesis of neostenine (personal communication).
----------------------------------------------
と、Aubeらの論文なのに自分の成果でもない、他人のグループBooker-Milburnらが同じような成果を上げたことを論文中で公表しています。そんなんありかよ!(;´Д`)
ほんとこれ見てるとこの業界って人付き合いというかコネというか人脈って大事ねってつくづく思います。だれですか、研究者は偏屈で人付き合い悪くて研究さえできればいいみたいな印象植え込んできたのは!
ヽ(#`Д´)ノ
と、reference欄やpersonal communicationを利用した成果報告の例を出しましたが、当然こんなのはデータもないので証拠がありません。そしてどれだけの人が気づくかという程度の論文のチマっとした欄なのでこれで周知されるかどうかはかなり疑問です。一応先行でアピールした、ということにはなると思いますが。もし気づかれていた場合でも、その報告がでてこなければ逆に研究の信憑性にかかわってくることにもなってきます。
なお、↑の実際書かれていた内容の場合、ちゃんと後日Padwa, Booker-Milburnともにそれに関する論文を発表しています。
A General Synthetic Entry to the Pentacyclic Strychnos Alkaloid Family, Using a [4+2]-Cycloaddition/Rearrangement Cascade Sequence
Albert Padwa et al.
J. Org. Chem. 2008, 73, 3539-3550.
A Protecting Group Free Synthesis of ((±)-Neostenine via the [5 + 2] Photocycloaddition of Maleimides
Kevin I. Booker-Milburn et al.
J. Org. Chem. 2008, 73, 6497–6505
なにより最初のPadwaの場合、ちゃんと自分で論文だして、その中で書いているわけで、ちゃんと成果出してるからこういう芸当ができるわけです。Aubeらの例はいったいどういう状況だったのかよくわかりませんが、少なくともPersonal communicationには論文投稿時、その証拠を求められることもあるので好き放題やれるような手段ではないということを一応クギを刺しておきます。
要するに楽して実を得るようなことはできないってことですな、はぁ。
はいはい論文書きます書きますよっと・・・・((((((((((´・ω・)

