2017年04月03日

エバポの話

新年度ですねえ。ピッカピカの一年生としてはラボ研究に心躍るですよすいません嘘つきました〇年生の老害です。

というわけで老害は老害らしく、研究室で汎用されるエバポの使い方の注意事項について。

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2017年03月27日

サンシャイン水族館『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)』に行ってきた

水族館大好きマンとしては水族館の特別展示のチェックは欠かせません(そのくせ沼津港深海水族館とかアクアマリンふくしま行ってない。あとチェックしたからと言って行けるとは限らないし基本行けない、葛西臨海水族園のイベント何度逃したことか_(:3」∠)_)。だれか年間パスポートください。

というわけで、始まったばっかりのサンシャイン水族館の「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛(もうどく展2)」に行ってきました!前回のもうどく展は2014の夏ごろで、色々な海洋毒生物とその毒成分症状を展示するものでした。この辺は以前にも紹介していますので、復習のため(?)に↓もご覧くださいませ。

サンシャイン水族館「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」に行ってきた←前回の話

今回はその続編、「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛」です。

毒毒毒毒毒毒毒毒毒展・痛 - サンシャインシティ
開催期間 2017/03/16(木)〜2017/06/25(日)
開催時間 10:00〜20:00


もうどく2-1ポスター.jpg


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2017年03月20日

提出構造と分子量が違ってた天然物の話

異論が多すぎて怒られる気がしますが、天然物化学は昔から大まかに物取りと合成の2つがあります(ケミカルバイオロジーとかは今回の話と関係ないのでスルー)。天然資源から抗がん活性とか抗菌活性といった生物活性を指標にしたりして有用な成分を見出し、精製・単離し、新しい天然有機化合物を見つけてくるのがいわゆる物取り研究者の役割。ごくわずかにしか取れないような成分を様々な合成手法を駆使してその分子構造を決定していきます。で、それを構造既知なものからどんどん人工的に合成を進めていって構造を確実なものにする、もしくは提案された構造が間違っていることを示して本当の分子構造を明らかにするのが合成屋の役割なわけです。

で、合成屋が死屍累々を乗り越え合成した合成天然物分子と、同じく物取りの人が死屍累々を越えてとってきた天然サンプルを比較することで、構造が合ってるかを見ていくのですが、一番メインとなるのは合成品とのNMRでのデータの比較です。大概の場合は構造異性体なのでひたすらに立体化学を変えたり側鎖や官能基の場所を変えたりすることでどうにかなります(簡単とは言っていない)。
が、この際、考えてみたらNMR以外のデータ(比旋光度は別として)はかなりスルーされている場合が多いような気がします。特に質量分析の場合は全合成しても話に出てこないし、単離論文と異なる分析手法で行っていることもよくある話(装置の問題もあるけど)。なんとなく「出て当たり前」みたいな感覚なのかもしれません。しかし、この質量分析が決定打となって構造改訂が行われることもごくたまにあります。

というわけで質量分析の値が構造と違っていたために起こった構造改訂の話を。

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posted by 樹 at 13:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 有機化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

論文原稿や研究発表の最近の傾向の話

論文は基本的にpeer reviewというシステムがとられていて、誰かに審査されてその判断をもとにエディターが修正指示や掲載の可否を判断します。なので出した論文がそのまま通ることは事実上ありません。

この論文審査はエディターが大勢の研究者の中から利益相反のない、且つその分野に詳しそうな人を査読者として選定します。指名された側も自分が出した時に査読をしてもらっているわけだからそうそう無下に断ることもなく引き受けることが多いわけですが、この査読、文献読んでその言ってることが正しいのか独自にバックグラウンドをチェック、またデータ自体もあってるのかと精査したりなどなど結構な時間を取られます。それも年に1回とかならともかく、月に数回ではきかないレベルでこの査読依頼がやってくることも多く、自分の研究に関係ないことで消費される時間が半端ではなくなります。2015年に査読に費やされた時間は延べ6300万時間とまで言われており、大量の査読が押し寄せて卓越査読者化している人も多かったりしますが、そんな査読は、完全なるボランティアです、タダ働きです。そんなこんなで本人時間取れないから海外ラボでも学生に査読丸投げしてるとこ多いような気がしますがアレだめなんちゃうの?

The Global Burden of Journal Peer Review in the Biomedical Literature: Strong Imbalance in the Collective Enterprise
M. Kovanis et al.
PLOS ONE DOI: 10.1371/journal.pone.0166387



近年ではOpen Access論文誌(OA誌)の激増などもあり、発行される論文の数は加速度的に増加しています。その割合は年6%以上とも言われ、科学誌だけで2014年にpeer reviewを受けて発行された論文は34000以上、2003年には130万だった論文総数が、わずか10年後の2013年には倍近い240万報にまで膨れ上がっているという調査もあります。当たり前ですが、発行される論文数が増えればその分査読を受ける(合否判定前段階の)論文も増えるわけです、例えば一律で受理率を20%とした場合、34000報の5倍の数の論文が審査に回されているわけです。こうなるともうやってられないし低レベル論文誌ほど原稿読んで得るものがなくなる(時間の無駄)となると査読者もそもそも現れなくなるわけで、エディターとしても大変のようです。

という、完全に研究者の善意だけで回っていた査読システムが崩壊しつつある近年です。これに関して色々解決するにはどうしたらいいかとかいう議論も上がっており、『報酬を出せ』という意見が一番多いしまあ当然そうなるわけです。ただそれやると報酬を渡すためにまた口座管理登録とか論文誌側がそういうのしなきゃいけなくなるし、何より常日頃からくるスパムメールポスドク志願メールよろしく報奨金目当てで『アイアム卓越査読者、プリース査読回して』というメールが某国やら某国やらと膨大な量エディターに寄せられてきそうでなかなか難しそうです。最近のNatureのコメントには『査読したらポイントがたまって、論文をOA化できるようにしたらどうか』という意見が出されています。

Peer review: Award bonus points to motivate reviewers (correspondence)
D. Gurwitz
Nature 542, 414


なお、「査読をしたら自分がOA論文出すときに使える値引きクーポンをだす」というパターンはもうすでにやられていて、Moleculesなどを擁するOA誌会社の一つであるMDPIは、査読をすると今度投稿するときに使えるOA化料金値引きクーポンコードがもらえます。有効期間と値引き料はまちまちなので(なんでなんだろ、よこしてくる原稿の厚さとか?)、たまたま出そうと思ってたらラッキーってなるでしょうけどそうでなければ使えないよなあと。

さて、そんな査読システムの話は置いといて、これだけ論文が激増する一方で紙面やこっちが読める数も限られるわけですから採択される報数自体はそんな大幅には増えません。ということは論文採択のための競争が激化しているわけです。科学論文であればもちろん研究成果というか研究結果ベースで採否は決まるはずですが、判断する方も所詮人間ですし、採択の理由にも「読者が興味を示すか」というのもあるわけですから、そのためにエディターへのカバーレターでのアピールに加えて、Abstractや論文本体での『俺すごいんやで』アピールとそう見せるためのストーリーも重要になってきます。ところで私自身前面に出たがらないコミュ障だし、ウルトラ俺様論文読んでるとこっちが恥ずかしくなるくらいなので結果ベースのアピールとか文章構成にしかする気がないんですけど、それもそれでだめな書き方なんだろうなあと(そんなんだからうだつが上がらないのか?それ以前の問題か?)

無論、おんなじ結果でも伝え方(原稿の書き方)次第で印象が180度違うのは当たり前なのでわかっちゃいるんですが、かなりの小手先感もしてしまうのも事実。そういった最近の論文原稿自体の傾向についての論説がACS Catalysis誌で出されました。

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2017年01月02日

冬コミ(コミックマーケット, C91)に行って科学評論本買ってみた

(1/7 タイトルちょい変更)
明けましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。


さて毎年やっていた「〜に行ってきた」シリーズ、過去「元素のふしぎ展」(2012)に始まり「深海展」(2013)、「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」(2014)、「単位展」(2015)と毎年続けてきましたが、なんと2016年はどこにも行っていません。なんてこったい!いや単に書くような展示会とかなかっただけなんですけどね。

そんな中、ぎりぎり「2016年版〜に行ってきたシリーズ」に間に合わせるべく?暮れも押し迫った12月31日の大晦日に行ってきましたよ、お台場国際展示場(ビッグサイト)で開かれていた冬コミことコミックマーケット91に!

え、化学関係ない?あるんだなあこれが。


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