基礎有機化学: (3) たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-
よくアクセスがあるものをまとめておきました。右バーのカテゴリ別も参照ください。

レポート・実験データ等のまとめ
・研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた(現在も随時更新追加中)
・検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた
・特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
・MS WORDショートカットや特殊アルファベットの入力法まとめ
・Powerpointのショートカットキー
・出版社ごとのオープンアクセス化費用をまとめてみた(有機合成化学向け)
・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
・情報ソースはウィキペディア、な論文の話
・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
・アメフラシの紫汁の謎
・タコが光ってもいいじゃなイカ!-青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密-
・やけど虫の毒と抗がん活性
・世界一大きい花の臭いの話
・竜の血の赤、虫の赤
・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
・はじけるキャンディ・ドンパッチの話
・危険なDHMO? SDS(MSDS)の話
・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
・光延"反転"の話
・実験、爆発:やってはいけない組み合わせ
・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
・原料の不純物で反応が行ったり行かなかったりした話

大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2012年10月09日

オレフィンのハロゲン化-ハロラクトン化-

炭素-炭素2重結合、オレフィンを自在に官能基化する手法は有機合成化学においてとても基礎的かつ重要な技術です。遷移金属触媒反応を入れると無数にあるわけですが基本的なものは水素化、エポキシ化、ジヒドロキシ化があり、どれもノーベル賞の受賞反応としての発展がされています。

olefin activation.jpg

ところで水素化還元やエポキシ化とならび、学部の授業で一番最初に教わるであろうオレフィンの官能基化と言えば臭素やヨウ素を使ったオレフィンのジハロゲン化かと思います。ハロゲンによってオレフィンが活性化を受け、エポキシドのようなハロニウムカチオン種を生成、背面からもう一つのX-の求核攻撃を受けてtransでジハロゲン化が進行するというもの。上の三つと異なる点はオレフィンとハロニウムカチオンは平衡状態であり、求核攻撃を受けない限り反応が終わらないところです。

dihalogenation.jpg

でもこのジハロゲン化。いざ合成で使おうと思ってもなかなかそういう場面に出合いません。エポキシ化やジヒドロキシ化に比べると論文でもなかなか見る機会もありません。よく見るやり方というと、エノンに対してハロゲンを作用させると系内でのビシナルハライドが生成、続くβ脱離によってα位がハロゲン化されたエノンへと導くもの。クロスカップリングなどによくつかわれます。単純オレフィンのジハロゲン化の場合はエノンの場合と違って脱離の選択性が問題になりますが、隣接基を利用した選択的な脱離法も近年報告されています。

kutsumura vicinal dibromide.jpg

ところで、系内で生じるハロニウムカチオンはオレフィンを活性化しているのと同じで反応性が高いため、求核剤をハロゲンから別のモノに変えることでさらなる構造変換が可能になります。特に分子内に水酸基やカルボン酸を用意しておけば環状骨格を形成することが出来ます。勿論エポキシドでも酸性条件などで活性化すれば同じ事が出来ますが、ハロゲン等を利用すればそのまま環を巻かせることができます。水酸基などでも利用できますが今回はラクトン化に絞って取り上げます。

halocyclization.jpg続きを読む
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2012年05月28日

光延"反転"の話

前回の続きー。
光延反応はホスフィンとジアゾカルボン酸エステル、求核剤(カルボン酸やアジドなど)を用い、水酸基を直接SN2で置換する反応で、2級アルコールの場合には立体反転することになるので、望まない立体化学の水酸基の反転や、直接官能基の導入によく用いられています。

光延基本.jpg
光延反応機構.jpg

また、分子間で官能基導入をするだけではなく、大環状骨格の形成にも用いることが出来、通常の縮合法とは異なり、水酸基側を活性化して立体反転を伴ってマクロラクトン化させることができるなど幅広く応用出来る反応であります。

光延ラクトンMaier.jpg

そんな光延反応の様々な利用法を前回紹介してきました。

ところで、




錯覚.jpg

カルボカチオン経由?いえいえ、完全立体保持もあるのですよ。
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posted by 樹 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 基礎有機化学 | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

光延反応の話

光延(みつのぶ)反応はアルコールに対し、アゾジカルボキシレートとホスフィン、そこに主としてカルボン酸を作用させてエステル化させる反応で、2級アルコールの場合には立体反転を伴うことから、要らない立体化学で得られたアルコールを反転させる(光延反応後に加水分解)為の手法としてよく用いられています。余談ですが管理人はこれを最初「こうえん反応」とか読んだり、総説の著者名の"Oyo Mitsunobu"をみて「光延オヨ」さんだと思ったりと色々失礼なことを個人的にしてましたすいません。正解は青山学院大学の光延旺洋(おうよう)教授(故人)です。

光延基本.jpg続きを読む
posted by 樹 at 11:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 基礎有機化学 | 更新情報をチェックする

2011年12月26日

期末試験も近いらしいので

期末試験が近いのか、検索ワードにそれっぽいのが並ぶようになってきました。
というわけで有機化学の基本のまとめをば。

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2011年12月08日

シグマトロピー転位で水酸基やアミンを導入する

光学活性分子の合成において立体選択的な官能基導入は極めて重要な意味を持ちます。数々の立体選択的合成法がこれまでに開発されていますが、中でもシグマトロピー転位はペリ環状反応による確実な不斉転写が可能とあって重宝されています。Claisen転位やCope転位、Stille-Wittig転位がよく使われていますが、なんとなくシグマトロピー転位というと炭素鎖を伸ばすのに使われている印象が強い気がします。というわけで今回はシグマトロピー転位による酸素・窒素官能基の導入例を集めてみました。

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posted by 樹 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 基礎有機化学 | 更新情報をチェックする