化学とネット・PC: (2) たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-
よくアクセスがあるものをまとめておきました。右バーのカテゴリ別も参照ください。

レポート・実験データ等のまとめ
・研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた(現在も随時更新追加中)
・検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた
・特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
・MS WORDショートカットや特殊アルファベットの入力法まとめ
・Powerpointのショートカットキー
・出版社ごとのオープンアクセス化費用をまとめてみた(有機合成化学向け)
・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
・情報ソースはウィキペディア、な論文の話
・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
・アメフラシの紫汁の謎
・タコが光ってもいいじゃなイカ!-青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密-
・やけど虫の毒と抗がん活性
・世界一大きい花の臭いの話
・竜の血の赤、虫の赤
・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
・はじけるキャンディ・ドンパッチの話
・危険なDHMO? SDS(MSDS)の話
・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
・光延"反転"の話
・実験、爆発:やってはいけない組み合わせ
・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
・原料の不純物で反応が行ったり行かなかったりした話

大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2015年10月28日

情報ソースはウィキペディア、な論文の話

今年10月のはじめに、ABC朝日放送で『炭酸ガスと水で効率的に石油を合成した』という研究発表が報道されました。エネルギー事情は最近特に重要な問題ですから、この成果は大きな話題を集めました。

【速報】京都大学、炭酸ガスと水を使って石油合成に成功 (アルファルファモザイク)

しかし、これだけハイインパクトなトピックにも関わらず、追随する報道は全くなく、それどころか研究室からも大学からもプレスリリースがないという、いったいどうしてそんな報道をしたのかというとこからよくわからない感じになっていました(結局現時点で報道1次ソースは存在せず(朝日放送の動画はもう見れない)、まとめサイトを貼らざるをを得ない形に)。何よりも、研究者としてはその研究成果のソースである論文が一体どれなのかすら明らかにされていなかったので色々怪しい感じがどんどん強くなっていきました。

で、やっと論文の正体が明らかとなり、それは日本の国際化学論文誌であるChemistry Letters (Chem. Lett.)だったことがわかりました。


An efficient way of producing fuel hydrocarbon
from CO2 and activated water
Tadayuki Imanaka, Tadashi Takemoto
Chem. Lett. DOI: 10.1246/cl.150720


これだけでもわかる人は吉本新喜劇ばりにヽ(・ω・)/ズコーってな具合になったのですが、これが相当な論文でして。。。テレビ報道があったことも後押しして、この中身について強い批判が集まりました。

1) 「炭酸ガスと水で効率的に石油を合成と発表」のChemistry Lettersにツッコミまくる人々(Naverまとめ)
2) 「炭酸ガスと水で効率的に石油を合成」のファーストインプレッション (togetter)
3) 『炭酸ガスと水で効率的に石油を合成』:論文を読もう (隠れ家的な闇的な)

詳細は専門外ですし↑に任せるとして、でかくブチ上げたにもかかわらず突っ込みどころ満載な中身だったことに加えて、なんと学術論文にもかかわらず、その参考文献にウィキペディアが挙げられているということも判明しました(論文のref 6参照、Fischer-Tropsch processについて。読めない人は3のブログで確認してください)。

ウィキペディアと言えばいまや大体みんな検索かけて真っ先に読んじゃう、ラフに調べものするときには使っちゃうものではありますが、1)だれでも編集できるうえに 2)専門家が書いたとは限らない 3)現在残っているものが正しいという保証は一つもない という意味で確実なソースとするには極めて危ないものでもあります。そういう理由から、学生実験や雑誌会勉強会では学生に「ウィキペディアは信用するな」とか言っている教員がほとんどなわけですが、そんな中で学術雑誌がウィキペディアを公式ソースに挙げて、そしてそれをエディターが通しちゃった、という一連の流れが炎上に拍車をかけたわけです。

その結果、論文としての中身がアレな上、『ソースがウィキペディアってwwwwww』という論文を受理してしまった側にも当然批判が集まるわけで、Impact Factor値1.3の日本が誇る国産化学論文誌Chemistry Lettersはツイッター上で

「Chem. Lett.はこんな論文も通すのか」
「ウィキペディア引用するような論文通すなよ、日本化学会のレベルが疑われるぞ」
「エディターも査読も機能不全だな」
「ここまで落ちぶれたか」
「まあChem. Lett.だし仕方ないね」
「そもそもChem. Lett.って時点でお察し」
「あーChem. Lett.か・・・」
「Chem. Lett.ってもしかして査読ないの?」

といった具合のウルトラフルボッコを食らっておりました(実社会でも「あれはないわ」であふれてましたが)。IF低かろうが何だろうが化学的に、論理的におかしいものを通すのは論文として論外なんですけどね、あくまで新規性の程度で判断すべきであって。だからIF低いものほど審査ザルになるのは本来おかしいんですが。もっとも論文一個でそのjournalのクォリティを見るのもよくないんですけどね、Natureやアンゲにもゴミみたいなのもあるわけで。

さてそんな大炎上のM山レターズChem. Lett.ですが、アレな中身という論文本体とその査読についてはさておき、今日びネットデータベースも充実してきてるわけですので、『ネットコンテンツは論文の参考文献として挙げてはいけない』といったことは全然なく、むしろアメリカではそのためのルールも出来上がっているくらいです。このあたりはだいぶ前に紹介しましたが、参考にしたサイトの名称や管理人名に加えURLとそれを閲覧した年月を明記する、と言ったことが必要とされています。詳しくは↓を見てね☆(ゝω・)vキャピ

・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話

とはいうものの、やっぱりウィキペディアをソースにするってどうよ?と思うのもよくわかります。そもそもあれが合ってるという保証ないし、いくらでも書き換えられるし、大体、同じ項目なのに言語ごとで書いてる内容違ってたりするし。
というわけで、「ウィキペディアを参考文献に挙げてるような論文wwwww」はほかにあったりするのか探してみました。

すると、大変意外なことに、いまや一流の化学論文誌(というか高IF論文)でもウィキペディアがソースに使われていることが判明したのです。

※基本的に化学研究の論文を対象にしています。化学教育分野(J. Chem. Educ.とか)になるとwikipediaを含めたネットコンテンツ引用はすさまじく多いです。

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2013年05月02日

molファイルで楽に分子を描こう

4月に研究室配属された人は一か月がたったわけですが、実験技術だけでなく勉強会、報告会でちゃんとした構造式、分子の形を描いて見せることの大切さも思い知らされている頃ではないでしょうか。

構造式はChemDraw(ChemBioDraw)というソフトで書いている研究室が多いかと思いますが、残念ながら普通にツールボックスにあるものをポチポチと組み合わせていくだけではきれいな形の分子にならず、不十分だったりします。特に研究室ごとでの流派や好み・センスなんかがあり、おんなじ分子でも


molfile galanthamine.jpg

↑なんか気に入らん、椅子型っぽい形で描きなさい!
とか、

molfile sugar.jpg

↑糖の形や向き、置換基の方向が気に入らない!あと環の前後が分かるように楔をうんぬん・・

などと色々言われることがあるでしょう。かなり極端な例を上げましたが、実際には角度が微妙に・・・とか結構細かいことを言われます。ならもっと前に言ってくれよという気もしますが。

こうやって指摘されたことを直して次の報告会などに使うわけですが、こういう構造式をいちいち最初から書いていくのは実にめんどくさいので、一度うまい具合に描けたなら大体それを今後はコピペしていくことになるわけですが、この方法として今回はモルファイル(mol file)を紹介したいと思います。
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2013年03月16日

RSSリーダー、NetvibesとFeedlyを試してみた ②Feedly編

というわけで前エントリーはNetvibesレビューでしたが、次はfeedlyです。

②Feedly(accessed, Mar, 16, 2013)
Google readerの後継者ともいわれる注目株。iPhone/iPadの場合はアプリがあるのでiTunes Storeで落としましょう、無料です。他のRSSリーダーと決定的に違うのは「googleのアカウントを持っているだけでRSSフィードの情報をFeedlyに移行してくれる」こと。なのでフィードデータのエクスポート/インポートが不要で凄まじく楽です。

Googleリーダーの代わりに『feedly』を使ってみる。お洒落で良い感じ(GaGaGadget, accessed, Mar, 16, 2013)

Google Readerが7月でサービス終了、次期サービスは「Feedly」が良さげ [RSSリーダー](iPod love, accessed, Mar, 16, 2013)

RSS登録出来るようにするアドオンなどの説明もあり。

また動作も極めて快適でサクサク動きます、いやー軽いのなんの。ヘタするとgoogle readerより軽い。RSS取得もNetvibesよりも早いです。
そして一番いいのがその見た目。iPadでの画面を貼ってみます。
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posted by 樹 at 10:13| Comment(6) | TrackBack(0) | 化学とネット・PC | 更新情報をチェックする

RSSリーダー、NetvibesとFeedlyを試してみた ①Netvibes編

『グーグル、RSSリーダーやめるってよ』

( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) は?

という衝撃の通知でこんな風になった方が世界中に溢れかえっているようで。私もその一人ですが。

新着論文・ニュースからブログ更新通知まで漏らさず通知してくれるRSSリーダー。以前は「通知多すぎて読めない!たすけてー(;´Д`)」ってなポストをしたわけですが、そうは言ってもいつ更新があるか分からないウェブ公開版論文やブログの情報を漏らさないようにするはRSSは重要なツールです(逆に言うと更新日が決まっているなら通知増えてうっとおしいだけなのでRSSは登録してません、NatureとかScienceとか)。

と、そんなRSSリーダーの中でも群を抜いて便利で圧倒的利用者がいたはずのGoogle Readerが「利用者が少ない」という(表向きの?)理由で無くなってしまうことになりました。なんてこったい!
もっとも無くなるのは7月なので今慌てふためく必要もないのですが、無くなることが分かってるのに安穏と過ごすのもアレなので引っ越し先を色々探し求め、よさげなところを調べて登録し試してみました。

そのなかで世間的にも評判がよさそうだったNetvibesFeedlyを軽く(欠点も添えて)紹介します。移動先探しで色々と苦労したし、今も引っ越し先探してる人もいるかもなので、突貫で書いてみました。

なお国産のLivedoor readerも試してみましたが、そもそもβ版だったのと「フィードの名称が変更できない」っぽくて整理がきかなかったのでやめました(ほんとに出来ないかどうかはわかりません)。Yahoo readerの方はYahoo好きじゃないから無視(酷
あとYahoo Pipesはよくわかんないので諦め('A`)
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posted by 樹 at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 化学とネット・PC | 更新情報をチェックする

2011年11月20日

新しい魅せ方-プレゼンツール"Prezi"-

そろそろ卒論やら修論やらの時期ですが、成果発表や授業などいろんなプレゼンテーションは現在ではほとんどがパソコンを使ったものになっています。昔はOHPとかだったんですけどねぇ、再利用とかめんどくさかったなあ(遠い目

そのパソコンを使ったプレゼンテーション、特に学会発表ではそのほとんどがofficeのpowerpointかmacのkeynoteと言ったプレゼンテーションソフトで行われていて、プレゼン=パワーポイントくらいの感じすらあります。

そんな中、ある機会で参加した講演会(化学)で全く新しいスタイルのプレゼンテーションを目の当たりにしました。というわけで今回はその新しいプレゼンテーションツール"Prezi"を紹介します。

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posted by 樹 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 化学とネット・PC | 更新情報をチェックする