以前、天使-Angel-を冠した化合物の話をしました。
下はその時例に出したangelic acid (英語だとエンジェリックアシッドでかっこいいのに、和名はアンゲリカ酸でショボーン)。
見た目が天使の羽っぽいなんて話もしましたが、これや以前ポストしたangelca lactoneなど以外にもangelを冠する天然物があり、angelmicin類もその一つです(clickで拡大)。
抗がん作用を有する巨大なdimer化合物の様な天然物で、微妙に右と左の構造が異なっているのが合成するにあたってはいやらしい化合物。山梨-群馬の天女山で単離されたことからangelmicin(天女≒西洋でいう天使)と命名されたのではと思います、いいセンス。とは言っても和名になると結局アンゲルマイシン(アンゲルミシン)なので天使感がまるでないので残念な感じですけど。
なおangelmicinには別名(他のグループによって独立に単離されたため)があり、hibarimicin(ヒバリマイシン)と命名されています。このヒバリは鳥の「雲雀」ではなく、富山県小杉町戸破(←これで「ひばり」と読みます)で採取された放線菌から見つかったことに由来します。
このようにAngelなどの宗教、芸術に関係する名前を冠した天然物も多数存在するのですが、最近になってシェークスピアの名作「ロミオとジュリエット」にちなんだ名前の化合物が単離、報告されました。その名も
ロミオブルー(Romeo blue)に、
ジュリエットブルー(Juliet blue)!!続きを読む