さてそんなこんなでオンラインでの学会で発表したりしなかったり呼ばれたり呼ばれなかったり呼ばれなかったりしてましたので、なんとなく思ったことを羅列して、更新のお茶を濁すことにします(何
オーラル発表はzoomやwebex、Google Meetなどが学内の会議やラボミーティングでも頻繁に使われており、だいぶ慣れてきた感があります。家とか研究室でやるからあんまし発表した感じがしないのが難点ですが(てか発表終わったら普通に仕事やら実験やらに戻れちゃうのもいいんだか悪いんだか)。なんにしてもいちいち出かけなくてもいいのが楽でいいですね。
なかでもオンライン化で一番変わったのが招待講演クラスではないかと思います。ケムステVシンポがまさにそうなのですが、これまでは各研究室で呼んだらその大学の人、近隣の人しか聞けなかった、そのため同じ話で講演行脚する、呼びたいけど組織の偏りの関係で集客望めないから呼べない、なんていうのがあったのが、一度の講演で全国・全世界を相手にできるようになったわけです。聴いてる方としてはこんなありがたい話はありません。
特に海外のシンポも家から一歩もどころかふとんすら出ずに聞ける(¦3[__]というのはすごいことです。ヨーロッパとか旅費だけで一人10万最低飛ぶからな今までだったら。呼ぶにしても講演ツアー組まないと向こうももったいないしで色々大変だし出始めの若手とかはこれじゃ呼びづらい。これらが一切なくなったのは大きいです。なので偉い人・すごい人+知ってる人しかしらない若手の講演を聞けるチャンスがbefore COVID-19と比べて格段に増えたボーナスステージ感があるので、皆さん是非聞きまくりましょう。
問題はラボとかにいるせいで結局聞く時間取りづらいというね・・・あとお出かけ感がまるでないからイベントのことを素で忘れる(4敗)。
一方、ポスター発表の方はというとこれが大変で、そもそもの管理と費用自体がオーラル発表の場合と比べて大幅に上がるそうです。
もう一つ大問題と思ってるのが、ポスター一つ一つが基本個室扱い(多少の違いはあるので1つ1つじゃないのもありますが)な上、『今見ている人の数』が外部から可視化されてしまう点です。これ、オープンキャンパスでのオンライン研究室紹介・訪問でもそうなんですが、盛況なところと過疎化したところが残酷に数字として見えてしまいます。そしてゼロのところには聞いてる方も大変行きづらい・・・・そして入ったら入ったで向こうからしたら待望の聴講者なので
「(ガチャ)おじゃましm」
『ようこそいらっしゃいました当研究室では有機触媒を用いた不斉反応の開発を行っておりますこれまでこういった基質で不斉を出すことは歴史的にも長いですがこういった基質制限があってそれを私たちはより汎用的な基質で且つ低触媒量で(超早口』
「アッ・・・ちょっと見に来ただけなので・・・(そっ閉じ」
となって大変入りにくいという話も聞いております。
そもそもポスター発表って、狙って聞きに行くところ以外はテキトーに歩き回ってチラ見しながら気になったところに突撃するのが醍醐味なところがあるので、いくら要旨があるとはいっても題名しか見れない今のスタイルだとみる方も面白くないんですよね。なのでポスターサムネイルみたいなのもセットで用意してもらえるとみる方はやりやすいなあと。あと「見てる人」の人数はオープンにしない方がいいと思います・・・あれ晒しもんにされるの嫌ですわ・・・(;´Д`)
個人的にはポスターはディスカッションが深まるならやるべきなものだと思ってます。オンラインでそれが望めないのであれば、オーラル発表に比べて大幅に労力や費用が掛かる事、そもそも物理的な会場を必要としないことを考慮すれば、いっそポスター発表自体をやめてしまい、無限パラレルセッションにして全員口頭発表にしちゃえばいいんですよ、って考えたりしてます。多少発表時間短くなってもその方が運営的にも楽だし、発表する側だってポスターよりも発表した感出るし前後に発表者いるから観客ゼロは避けやすいし途中で逃げづらいし。てかディスプレイでポスターは見づらい・・・。
さてオンライン化の弊害といえば、学会内容の撮影問題。ほとんどのところが撮影禁止という注意は出しているものの、スマホ時代にあって実地ですら完全なコントロールは難しいのに、PC配信という制御不可な媒体にならざるを得なくなり、個々のPCでそれを管理するのは不可能なのでなかなか難しいものがあります。そうなると論文化前のものはますます出しづらいですかね、アーカイブ原稿出せるレベルのやつってのもそんなないだろうし。まあ結局個々の良心にゆだねるしかないですね。
・講演スライドを撮影する話(以前書いた撮影に関する話)
ええ、「個々」ならね。
いやまさか『組織』が「学会参加した証拠として学会開催中の画面のスクリーンショットを出せ」って言ってくるところがそれなりの数あるだなんて思わないじゃないですか。運営側の努力はなんだったのかと。
参加の証拠って元々行ったフリして旅費をちょろまかしたアホのせいで発生した話であって、これまでだって会場の看板とかであって実際やってる最中の写真じゃないじゃないですか。それを旅費を必要としないオンライン学会なのに、しかも撮影厳禁って言ってるのに、組織がそれをガン無視して撮影しろ、って言ってくるの大問題じゃないですかね。てかオンライン管理なんだし参加ログインなんてログ残ってんだからわかるじゃん!それでいいじゃん!そこまで信用しないんだったらもう隣で直接見張ってろよもう(それはそれで絵的に面白いのでちょっとやってみたい)。てかオンサイトでやってたときも学会が出してるcertificationが参加の証拠として認められられない、っていう意味不明なのもどっかであったな?
とまあ、オンライン学会というデジタル文化が始まったにもかかわらず、この期に及んでこんなアナログ&無意味&組織的に規則違反、という風な話にあきれ果てておりました。ハンコもやっと滅びるようなのでこういうのもどうにかしてほしいところです。
いやこれ日本だったら事情わかってもらえるからまだいいけど(「intermission中の画面を使ってください」とか)、国外主催のオンライン学会でこんなの組織的にやってんのバレたら出禁くらうんでねえの、マジで。
---------------------------------------------
追記
LIVE学会なんかやめて動画各自投稿→学会がリンクまとめればええやん
という意見があり、まあ確かに実地でやりもしないのにLIVEで拘束されんのアホらしいなと。
でもこれやるとまず聴講者、特に有名ラボ以外の動画が激減するのは目に見えてるので、やるにしても1セッション4,5講演のバンドル動画(もしくは次動画への強制自動遷移)とかにしないとおそらく悲惨な格差が生まれるかと思います(もう既にポスター発表がそうなってる気がする)。実際の学会だって惰性で前後も聞いてるって人結構多いので、それを切り捨てないようにする必要はあるのではと。ネット上で機会の平等担保するの結構大変。
にしても各自のYoutube動画リンクまとめるだけとかならもう個々人各ラボで時期関係なく勝手に動画上げりゃいいって話に究極なるので、そもそも学会に金払って参加所属する意味自体もなくなるな?
休憩中とかそういう画面なら問題ないという感じになっていますが、そもそもスクショを取る行為自体が問題であって論点が違うだろと一人ぶち切れ中。
>休憩中とかそういう画面なら問題ないという感じになっていますが、
>そもそもスクショを取る行為自体が問題であって論点が違う
おっしゃる通りで、「問題ない」かどうかを決めるのは向こうであってこっちではないわけで、勝手な解釈で「ええやん」とかやりだしたらなんでもできちゃうんですよね。
というわけで僕は運営側にチクるのも含めて問い合わせます。OKと言われれば全体アナウンスしてもらうのがいいですし、ダメといわれたなら『お前は運営が「ダメ」と言った不法行為を「やれ」と強要するのか』と経理かなんかに問い詰めれればいいんで、なんにしても問い合わせた方がよいですね。
しかしこれほんとに外国学会どうすんだろ。
ダメだって言われていることを学生に強要させるのはやっぱり良くない、と納得してくれた模様
やらんでいいんだったらそもそもやらせないでいただきたいものです・・・
薬学会年会がこの方式ですね。予め録画した動画をセッションごとに垂れ流して質疑だけライブという形です。しかしそうすると動画の編集のうまさとかで発表賞とか決まる気もするので、もはや優秀動画編集賞じゃないのかと…