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2018年04月24日

査読歴と紐付いた研究者プロフィールサービス・Publonsを試してみた

新年度始まりましたね(今更感)。と言いながら新年度っぽい話は一切しません(ぉ
ワシも残り少ない(たぶん)ので「沈まず」とか言ってるけどどうなることやら(ヽ'ω`)

さてそんなことはさておき、よせばいいのに例によって結構なボリュームのやつを投下しようとヒーヒー言いながら書いてたら、こんなのがちょうどChem-Stationから!

研究者向けプロフィールサービス徹底比較!(Chem-Station)

最近山のように押し寄せ、登録が必須になりつつあるプロフィールサービスが重要度順に紹介されています。特にORCIDは論文投稿にすでに必要だし、ResearcherID、Researchmapも公募や今後科研費申請とかにも必要になってきそうでなんか色々登録するもん増えて大変(;´Д`)
あ、CVにはこれらのリンクは貼ってます。

実はこの手の話、だいぶ前にしようとしてめんどくさいからやってなかったんですが、今回便乗する形であんまり書かれてなかった、ほかのサービスと比べて査読に特化したサービス・Publonsの話をすることにしました。

publon0.png

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Publons

Publonsの創設者にインタビュー:「科学加速化ミッション」(Editatge Insights)

第277号 査読の認知度を高めるPublons (ユサコニュース)

PublonsはORCIDとやResearcherIDと同じように研究者個人の経歴、所属、業績(grantとか含めて)を登録してアピールするサービスです。アカウント自体はFacebookやGoogleアカウントでの連携も可能でそれでログインすることが出来ます(便利は便利だけどそれもそれで顔本やGoogleに全部握られてる感がしてアレ)。ちなみに研究業績に関してはORCIDからインポートすることができるので楽ちん。またこのPublons、2017年にクラリベイト・アナリティクス(インパクトファクターやってるとこ)に買収され、同社のサービスとなりました。

でも、これだけだと単なる他社の似たようなサービスの一つでしかないのですが、そもそもが「査読をより迅速で,効率的かつ効果的にすることで科学を加速化する」を使命に掲げていることもあり、論文の査読歴を登録・管理することが出来るという点に特化していることが最大の特徴です。これらは論文誌側ともある程度連携が取られており、英国化学会(RSC)では、査読システムのアカウント設定にこのPublonを紐付けしておくこともできます。これにより、RSCでは査読を投げ返すと同時にPublonにも査読歴が登録されるようになっています。ただしそこまで連携してるとこは多くないので、大概の場合には手動でPublonに査読歴を登録することになります。

といっても自力で打ち込むようなアホらしい作業はなく、査読を投げ返した後に自動で返ってくる論文誌エディターからの査読ありがとうメールをPublonに転送するだけでOK。このメールは単なる「××を査読してくれてサンキュー」程度のものであり、その中身についての情報はありません。つまり、あくまで「○○という雑誌の××という候補原稿を査読した」ということだけを登録するのであって、査読コメントの中身をPublonに駄々洩れさせるわけではありません。・・・よく考えてみたらこの登録Publonの中の人手動でチェック登録してんのかな・・・?

publon4.png
↑こういう個別項目から査読コメントとかDOIを追記したり、すでに公開されている論文に対しても評価をつけることもできる


ただ、それだけだと労力がかかってる割にだいぶしょうもないシステムともいえるわけですが、Publons自体が査読システムそのものの先を考えていることもあって、単なる履歴管理だけでなく、実績管理による信頼性担保や、すでに公開されている論文に対しても評価できたり、自分の行った査読コメントそのものを登録できるようにもなっているなど(↑の部分)、様々なことが出来るようになっています。ただし、論文化されていないものの査読コメントをオープンにすることは一般的には大問題なので、公開がされている論文のDOI番号をセットで登録することで初めて公開できるようなシステムになっていますし、その公開範囲(非公開含め)をジャーナル毎のポリシーに合わせて設定することもできます。登録しているのは査読側だけでなく論文誌のエディターもいるので、こういうところでアピールしたりもできるとか。

とはいうものの、実質この査読コメントを入力してそれを「公開」することはないかと思います。なぜなら論文誌自体がそのジャーナルポリシーとして「査読コメントをオープンにするな」としているところが現状殆どだからです。

publon3.png
↑Publonsと連携しているRSCでもコメントオープンにしちゃやーよ(‘ω’乂)って書いてる。まあそらそうよ。ちなみに下の方には各ジャーナルで査読をたくさんした卓越査読者の歴々が表示されます。

ただ、非公開にしたうえで、自分の査読コメントをアップしておくと、査読時の平均単語数やらなんやらの統計取れるのでいいかも。Publonsはこうした査読歴をインパクトファクターやら引用数やら単語数やらでの統計を取ることが可能なので色々やれそう。


で、肝心の査読リストですが、ほとんどコメント登録してないけど以下のような感じでマイページというかトップページに表示されます。査読論文の題名と具体的な日付は隠してありますが実際の画面には表示されます。

publon1.png
JACSあんげないじゃんとかいわないで、あんげはやったことあるから(震え声)

こんな感じでジャーナルは出ますが、査読タイトルが表示されるのはマイページだけなので心配することはないです。
面白いなと思ったのはAltmetric scoreとかcitationも表示されるので、自分の査読したやつが通ったのかどうか、査読した論文のインパクトを確認することが容易になっています。逆にあのクソ論文通しやがったのかとかもわかっちゃう。もちろんrejectされた後に他所のジャーナルで通った場合にはトレースできませんが。

publon5.png
↑他人のページを見た時にはこんな感じ。どこの査読をしたかはわかるけど何をしたかは出ません。


というわけでPublonsを雑に見ていきましたが、ケムステでも書かれている通り、ここ自体の登録はORCIDやResearcherIDと比較して圧倒的に優先度は低いです。てかしなくてもいいんじゃね?という気も。ただ個人的には、これまで評価されることがなかったし「1報投稿したら(通るとは言っていない)3報査読が来ると思え」だの散々な言われ様(なおこれは数十年前の話であり現在は体感的にその倍は来てる気がする)なのに日が当たることもなかったタダ働きこと査読というシステムにハイライトしたサービスという点で大ありだなと思っています。実際僕自身も別にPublons自体を使っているという意識は全然なく、査読終わったら機械的にThankYouメールを転送することくらいしかしてません。気が向いたらこれまでのコメント登録してみようかな(今後の査読コメ用に下書きもかねて過去のコメント全部取っといてるので)。

論文投稿の方は世界的にボーナスが出る流れ?らしいですが、査読の方は今後どうなっていくんでしょうかね。見返りが来るようになるとは思えませんが(というかあんまり派手な見返りあると中立性とかに問題でそうだし)、Publonsは労力は極めて少なく査読コレクション的にもなるので、今まで面白くもなんともなかった査読というものでやっと色々と遊べるようになったと考えればなかなか面白いものだし今後こういうとこからなんか新しい流れができてこないかなというのが個人的な感想と期待です。

論文出版者への賞与が世界で流行中 (Editage Insights)

というわけで卓越査読者の皆々様、登録してみてはいかがでしょうか。


あ、ちなみにジャーナルのエディター側へは「論文manuscriptを送ると適切な査読者のリストを返す」っていうサービスも用意されてるんだってさ。

・・・・・余計査読来ちゃうじゃんこれ!!!!(;´Д`)

by カエレバ
posted by 樹 at 09:00 | Comment(0) | 化学とネット・PC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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