2015年12月11日

CV(履歴書)に査読歴を書く話

あ、今回のはポスドク以上の人向けな感じです。

もう最近は研究室ごとホームページを持ってるのが当たり前の時代ですので、ホームページを見ればその研究室のやってることや最近出した論文なんかも簡単にチェックできます。仕事がわからないようなサイトだったりそもそもホームページがなかったりするともう学生もやってきませんし、全然更新されてないとまた「ここやる気ないな?」とか思われるし・・・(;´'-'`)
それと同時にサイト内にスタッフ個人の業績をアップロードしてアピールすることも容易になりました。今日び研究者もそのまま講座内で居座ってれば上がれるもしくはクビにもならずにずっといられる時代でもないので、自分の仕事をアッピルしとくのも結構重要になってきています。

で、その自分の業績成果をアピールするのに、研究者(だけじゃないけど)がWEB上でCV(Curriculum Vitae, 履歴書)をアップしている人も多いかと思います。履歴書と言っても就活に使うようなテンプレ履歴書を使っている人はいませんので大体MS Wordで好き勝手書いたものを載せている場合がほとんど。てか日本以外だとそんな紙履歴書テンプレなんか使わないから日本の方がアレなんですけどね。あの手書き主義はハンコ文化の次くらいに禁止撲滅しないといけない日本文化だと思ってる私。
それはともかく、逆に何を書けばいいかというテンプレがない分、極めてフリーダムに書くことができます。それでもやっぱり読まれるものにしないといけないのである程度の書き方マナーみたいなものはあるようです。

Curriculum Vitae (CV)の書き方 (Fukuyama English service)

いずれにしてもフリーダムとはいっても書くことにそんな幅が出るわけでもないので大体連絡先と学歴、職歴、論文リスト、発表リスト、足してもせいぜい取った研究費リストとかそんな程度でしょうかね。私の場合ORCIDナンバー載せたりとか、論文リストにはハイパーリンクをつけてすぐ見られるようにしたりとか、それぞれGraphical Abstractもつけて、文字ばっかりのリストにならないようにしたりとかもしてます(ただしこれをやると画像分余計にスペース食うのでページ数やたら増える欠点が)。


それでも書くことは大して変わらないので皆同じ感じになっちゃうのですが、このCVに独自感を出すため、私は『今までに査読したことのある論文誌』を挙げています。別にこれ自分で思いついた話じゃなくて、たまたま見てたアメリカのassistant professorのCVにこんな項目があって、『ほう、これは面白い』と思って採用したのです。

査読は、例えば知り合いであれば「通してくれそうなレフェリー」として回されることもあるかもしれませんが、基本的にはエディターの権限で決まるので「エディターが知ってる、もしくは最近のものでなんかよさげな関連成果を出していてちゃんと査読してくれそうな人」に回されることが多いです。あと論文投稿して待ってる間に投げつけられるとか。なんというか「おいお前の審査してやってんだから査読しろよ」みたいな人質感もしますが(なお別に受けて論文通したからと言って自分のが通るわけでは全然ない)。となるとある程度知名度やその人の仕事としての認知がないとそもそもお呼ばれもされないわけですから、査読者にリストアップされる=業績を出しているということにもつながってきます。特に上位の論文誌ともなるとちゃんとした成果を出してないと回ってこないので、それらの査読歴がある=ちゃんとした成果を出している、それなりのひと仕事をしている研究者、という印象を与えることができます(ほんとにちゃんとしてるかどうかは別)。

もっともリストアップしたところでそれは「自分自身の研究成果」ではないわけですからそこまで重要視はされないでしょう、あくまですごい感を出すためのsupporting informationなわけで。また教授にまでなったらもはやこのリストは意味をなさない(はず)ので、下のサイトAcademiaでの回答でも挙げられていますが、「キャリアが薄い、若い時にはリストを挙げていたが、今はしていない」が実際かなあと。またこの「査読した論文誌リスト」、いわゆる論文誌のネームバリューに乗っかったものでもあるので反感持つ人もいるような気もします。

Do you list journals you have reviewed for on your CV?(Academia, Nov.29.2015 accessed)

もうひとつ、このリストはアメリカのような助教時から独立ラボを持っているようなところであれば本人の業績を評価するのに使えるかもしれませんが、日本の講座制、特に日本で多くみられるように大ボスに投げられたものをボスのアカウントを使って下っ端スタッフが査読ほかのスタッフに回されて査読するような場合には本人の能力を反映したものにはならないかと思いますので、日本だとそんなに意味があるような感じもしないかもしれません。なお、アメリカでもこれを挙げてる人がいるかと言えばあんまりいません、てかほとんどいない?


それでも私はこの「査読した論文誌リスト」をCVに載せています。
理由は簡単、単純にコレクション感が出るからです。いいじゃんそれで。
いろんなところから査読来るとコンプしたくなりませんか?なりませんか?最近はやり(?)のコンプガチャ的な、古くはビックリマン的な。課金業績出しまくっていろんな論文誌査読歴が集まるとなんかうれしい感じがするのでやってますよ。
高IF誌から査読来たらレアキタ━(゚∀゚)━!みたいな。
ええ、完全に対外アピールじゃなくて自己満です。もはや目的変わってる感。

ただ、こういうスタンスでいると(有象無象のスパム誌からの査読は無視して)いろいろな査読にも前向きに取り組もうという気にもなれるので個人的にはおすすめです(めんどくさいと思いつつも)。一度受けたところはもう履歴あってダブるからもう受けない、とかそういうのはやめましょう(;´・ω・)もっとも「そんなもん自分だけでリストにしとけばいい話でCVに書くことか」と思われても仕方ない気もしますがまあそれはそれ。

なお、履歴書アピール項目の特殊例として、CVの中としてではなくweb上の自分の紹介ページの中でではありますが、材料系研究者だと自分のマテリアルの動画を載せたりする人もいますし、中には研究関係なく自分の趣味の演奏動画をページに挙げちゃう方もいたりしますが、こういう独自コンテンツあるとインパクト強烈ですよね。そこまでやれるモノを持っている人はなかなかいませんけど。

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posted by 樹 at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 有機化学雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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