よくアクセスがあるものをまとめておきました。右バーのカテゴリ別も参照ください。

レポート・実験データ等のまとめ
・研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた(現在も随時更新追加中)
・検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた
・特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
・MS WORDショートカットや特殊アルファベットの入力法まとめ
・Powerpointのショートカットキー
・出版社ごとのオープンアクセス化費用をまとめてみた(有機合成化学向け)
・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
・情報ソースはウィキペディア、な論文の話
・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
・アメフラシの紫汁の謎
・タコが光ってもいいじゃなイカ!-青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密-
・やけど虫の毒と抗がん活性
・世界一大きい花の臭いの話
・竜の血の赤、虫の赤
・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
・はじけるキャンディ・ドンパッチの話
・危険なDHMO? SDS(MSDS)の話
・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
・光延"反転"の話
・実験、爆発:やってはいけない組み合わせ
・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
・原料の不純物で反応が行ったり行かなかったりした話

大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2015年04月13日

検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた

(2019 7/23 リンク理研データベース修正, 2018 1/19 リンク先修正, 6/7 溶媒共沸表を「研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた」に移動)
有機化学のネタもちかいうちやりますが、年度始まりということで実験やら論文さがしやらに使える化学サイトをまとめて紹介してみます。まあ有名なものもあるとは思いますけど、新B4、新M1(と新スタッフ?)向けメインということで。

ちなみにウチのサイトでよくアクセスされるPC便利系記事はこちら↓
特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
Powerpointのショートカットキー


・ジャーナルデータベース
各論文誌のインパクトファクター値を検索できるサイト。いちいち論文誌のサイトに行かなくてもここで大体ひっかけることができますし、4年分のIF値が出てくるので年々上がってるのか下がってるのかも分かります。またこのサイトで探せる論文誌は化学に限らず生物、医学、デバイス、行動学など多分野にわたっており、多方面で研究に携わる人に使えるサイトとなっています。
さすがにこれは学生向けではないですし、そもそも
「こんなもんいつ使うん?」と思うかもしれません。ですが

「自身の論文を、論文誌のインパクトファクターを添えてリストにしてください」

的なよーわからん書類を要求されることもあるんですよ! (_・ω・)_バァン
そんなIFなんて年ごとに代わるもんをいちいち論文誌ごと調べるのめんどくさすぎるので、こういう書類作成には便利だし、投稿しようと思ってる先の最近の具合を知るにもいいかもしれません。
(※権利関係なのかどうか知りませんがこのサイト年度ごとにURLごと変わって消滅する傾向にあるので注意、一応定期的に更新してリンク切れにならないようにはしていますが)
(※2018年1月:今見たら旧トムソンロイターの公式Impact Factorではなく、"Bioxbio Journal Impact(自社算出の数値です)"ってなってました。が、調べてもどう考えても公式Impact Factor値と全く同じです、本当にありがとうございました)

Prof. H. Mayr's reactivity scales posters
求核力、求電子力を判断する経験則としてHSAB則(Hard and Soft Acid and Base rule)がよく知られていますが、あくまでこれは経験則であり、これに合致しない場合も多々あります。Mayr教授は実験的手法を通して求核性、求電子性を化学種ごとに調査、その反応性の相性を経験則ではなく数値化しています。

そしてMayr研での研究成果をまとめて表にしたものを自身のホームページで公開しています。PDFファイルとしてupされていますのでプリントして壁に貼っておくと便利ですよ。より詳しい情報を知りたい場合、下のデータベースにすべて記載されていますので探してみましょう。

Welcome to our Database of Nucleophilicities and Electrophilicities
(↑はデータベースの見方の説明。このページ一番下のリンクからデータベースに行ける)




Azeotrope database for organic solvent mixtures

・Chemistry reference resolver
・こんなサービスが欲しかった! 「Chemistry Reference Resolver」
・化学研究ライフハック:化学検索ツールをあなたのブラウザに(Chem-Station)

日本語での詳しい解説があるので本家ではなくケムステを挙げましたが、論文検索に非常に強力なツール(website)。論文誌、号もしくは年、ページがわかっていれば、それを検索窓に放り込むだけで本誌に飛べるという優れもの。論文誌は一般的に使われるような略号でもOK(例:Tetrahedron Letters→TL、J. Am. Chem. Soc→JACS)。chemistry reference resolverのウェブサイトに飛んでもいいのですが、特にFirefox等向けのアドオンは非常に強力で、いちいち検索サイトに飛ばなくてもツールバー上に入れるだけですぐに飛べます。正直な話これがないともはや生きていけないレベルで日常的に使っています

化合物データ検索
有機化合物のスペクトルデータベース SDBS(AIST)
CH-NMR-NP天然物NMRデータベース(JEOL)
NPEdia(Natural Products Encyclopedia)化合物検索(理化学研究所 ケミカルバイオロジー研究領域)

天然物やその他複雑化合物のデータ検索はなかなかやりませんが、単純化合物のデータを確認するのには特に一番上の産総研データベースが重宝します。1H, 13C NMRだけでなくIRなど他の色々なデータが載っています。ちなみに試薬会社のAldrichも実は販売している試薬の1H, 13C NMRを公開してるのでチェックしてみましょう。

アルドリッチweb toolbox
試薬会社アルドリッチが公開している実験用のツール類。以下にそのうちのいくつかを紹介します。

Pressure-Temperature Nomograph
圧力と常圧での沸点から、その圧力での沸点を導き出す沸点換算図表をjavaアプリとしてそれぞれの数値を入力すると厳密な数値が出せるというもの。減圧蒸留をするときにはポンプやオイルバスの性能によって目的の温度にできないこともありますので、適宜蒸留できる圧力・温度を出すことができます。常圧沸点がわからない場合でも、たとえば文献情報で減圧時の沸点がわかっていればその数値を入力して常圧時の沸点を算出し、改めて目的圧力/温度での条件を出して自己条件で蒸留することもできます。

なお、紙ベースであれば東京化成でPDFが公開されています。
まあ正直、これ印刷して定規当てた方が早(ry
東京化成の沸点換算図表(PDF)

単位換算
長さ、重さなどの単位を換算するモノ。こういうサイトはいくつかありますが、長さ、重さ、圧力、体積、密度、流速からトルクに至るまでが一つにまとまったものはなかなかないです。

溶液調製に必要な基質量計算
目的の濃度の溶液を作るために、何ミリの溶液であれば何グラムの基質が必要かを計算してくれるもの。これくらい自分で計算してもいいような気はしますが、楽は楽ですね。ちなみに分光分析で使うような0.1mmol/Lでの溶液調製をこれでやろうとすると、当然ですがとてつもなく少ない量となります。段階希釈には使えないのでさすがにそれは自分で計算しましょう。

既知溶液を薄める計算
と前の項目で言いましたが、↑と組み合わせることで段階希釈計算も可能。自分で計算するよりも変に間違えなくていいと思うか、やっぱ自分でやった方がいいと思うかは人次第ですけど。


という感じで自分でも使っている色々実験で役立つサイトを挙げてみました(溶液計算と単位換算は使ってないけどw)。特にreference resolverは論文のreference探しに強力ですし、Aldrichの沸点換算はポンプパワーが目的圧力に足りないときの蒸留で役に立ったりします。色々試してみて快適な(?)ラボライフを過ごしてください。
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

論文の量は爆発的
Excerpt: 科学者の数に比例して発明発見が増えるとすれば、科学論文の量は爆発的に増えていく。機械やコンピュータは爆発的に便利になっていくし、科学知識も急速に増えるから、科学者も専門分野を勉強するだけで精一杯でし..
Weblog: 哲学はなぜ間違うのか
Tracked: 2015-04-17 21:32