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レポート・実験データ等のまとめ
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・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
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・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
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・世界一大きい花の臭いの話
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・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
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・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
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・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
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大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2013年08月04日

論文誌が高すぎて

何気なく読んでますけど論文誌の購読料ってすさまじくお高いんですよ。そのうえ最近は冊子体購読に加えWebコンテンツの無制限アクセスみたいなプランとかついてるのでますますお値段↑アゲアゲ↑
特に最近はWeb上で受理されたてでページ番号もついてない段階での論文(ASAP, Inpress, SciencExpress, EarlyViewなど)が大量に読めるようになったせいで、その維持管理更新コストもすさまじいことに。結果、購読料の「倍プッシュだっ!」状態が続いています(まあ倍にはなってないけど)。それに加え、昨今の円安ががが(大体は米ドル等現地通貨建てなので。まあ以前の$1=80円が異常だっただけなんですけど)。

どれくらいお高いかというと、某化学論文誌の購読がいつまでたっても見送られっぱなしなので

なんでこんなに需要が高い雑誌なのに購読をしないんですか!
どういうことですか!いつ購読するの?今でしょ!
(「・ω・)「  (_・ω・)_バァン

と抗議の声を一斉に寄せたものの、年間購読費用と一年ごとの値上げ率を聞いて

すいません私が悪かったです
_| ̄|○_| ̄|○

と一瞬で降参するレベル。
年間最低10%値上げしてるってどういうことよ(´Д`)

ただでさえ大学の金減らされてるところに論文誌のお値段高騰の連続(どころか値上げ頻度up)なので、最近はとても購読維持できない状態になって購読そのものを止めてしまうところも少なくないようです。少なくとも冊子体の購読を止めてしまうところも多いのではないでしょうか。最新の論文を読める点やわざわざ歩いて図書館に出向かなくても手に入る点でWebアクセスを残しておく方がメリット大きいし。もっともデメリットとしては契約解消してしまうと紙媒体など後に残るものが『なにもない』ことですが。

しかし購読をやめても論文の査読依頼はやってきます。なお論文査読は無報酬事業です(まあ投稿がタダだから文句言えませんけど)。
その結果ついには購読停止を通りこして査読編集まるごとボイコットなんて騒ぎにも発展したものもあるようです。


・フィールズ賞数学者が開始したElsevier社の雑誌価格等に抗議するボイコット活動(カレントアウェアネス・ポータル)

・情報の値段:論文誌出版社を学者がボイコット(はてブAnonymousDiary)
・エルゼビア社ボイコットから1年、何が変わったのか(情報管理Web)

なんかボッタクリの代表格みたいな感じでエルゼビアがやり玉に挙がってますが他も相当ですよ。そりゃ年間数千万も論文だけで飛んで行かれたらねえ(´Д`)
最近では旧帝大の名大ですら購読をやめてしまうとか。「読みたかったら個人で契約してね☆(ゝω・)v」ということだそうですが、今後この流れは広がりそうな予感がします。まあ無制限アクセスコースともなると無理ゲーなお値段なんですが。論文紹介サイトもそうですが、最近はページ番号が付く前のできたてほやほやのものがハイライトされ、ページ番号がついてからはもうブームが終わった感すらある傾向なので、冊子体よりWeb購読でないときついんですがねえ。

・「elsevier shock」(雪氷圏研究室)
・エルゼビア社 知的財産の問題(奥の間)(Aug/06/2013リンク追加)

こうなると誰も読まないようないわゆるImpact Factorの低い論文誌の購読はどんどん消されていきますよね。いくら論文重要度はIFで図れないと言ったって、生活きついのにほとんど使わないものに金を払う人なんかいませんもん。

もう一つ財政を圧迫するものとして、論文データベースがあります。化学系だとSciFinderやScopus/Reaxysがそうですね。これ一個だけで1年数百万~1千万しますし。でこれ、膨大な論文を管理するデータベースなんですが漏れも当然あります。そして漏れは低IFなど重要度の低いマイナー雑誌ほど多い傾向が。中には漏れどころからそもそもデータベースに入れてもらえない論文誌も。論文誌も大量にあるので登録とかの手間を考えると重要度が低いと判断されたジャーナルはデータベース登録誌としてリジェクトされるそうな、なんてこったい!

大量にある論文誌の、大量に出る論文情報の横断検索や、h-index解析など重要度がますます高くなっているデータベースですが、そもそもひっかけてもらえないとなるとますます読者離れが加速しそうです。論文漏れされてたらh-indexとか算出できないし、そもそも見てもらえない(ひっかけてももらえない)論文誌に出す意味が・・・。そう考えると『いい論文をウチのジャーナルに』っていうよくある勧誘と提言にある行動だけではもう論文誌の浮上の解決はできないんじゃないかと。財政逼迫にデータベース登録と、論文誌のクォリティ向上だけでどうにかなる問題じゃなくなってるので、この辺の解決を論文誌自身が改善するように動いてもらえるといいんですが・・・(もうやってたりして)。

なお、論文誌高騰の流れでオープンアクセスジャーナルとかが最近出てきていますが、話が長ーくなるので今回一切触れてません。
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Aug/06/2013追記
なんかどえらく拡散して読まれてるようですが、ここまで広がって読まれるんだったら論文会社(学会誌・私誌問わず)の複数論文誌パッケージ契約(¥ω¥)の話とか、論文データベースの契約重視になって論文誌自体の契約はバイバイになる傾向とかも書いとけばよかったな(;´Д`)
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(All links accessed Aug/04/2013)
posted by 樹 at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 有機化学雑記 | 更新情報をチェックする
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