2013年07月11日

国立科学博物館・深海展に行ってきました

さっそく行ってきましたよ。え、有機化学関係ないって?
気のせい気のせい
※ほんとに関係ありません。が、ねじ込みますw

特別展「深海 −挑戦の歩みと驚異の生きものたち−」| 国立科学博物館
2013年7/6〜10/6まで


なお、写真はちょっとだけありますが、基本的に行ったときの楽しみを奪わないようにキモの部分の写真は載せません、というか標本の写真とか全く載せてませんw

ダイオウイカフィーバーに乗って話題になってる深海展。目玉もやっぱりダイオウイカなわけですが、個人的にはダイオウイカ以外の方の見どころが多かったですね。確かにダイオウイカはその標本を間近に見ることができる(というか完全に目の前)など貴重な機会があるわけですが、映像はNHKスペシャルのアレを見ていた人からすると目新しいものはないので、下手にイカに期待しすぎるとがっかりするかもしれません(というかあの生きたダイオウイカの映像がすさまじく世界的に貴重なのでそうそう新しい映像なんかあるわけないんですが)。

しかし、それ以外に見どころはたくさん。特にものすごい数の深海生物の標本が展示されており、見逃せません。もう図鑑(しかも大体が絵であって写真じゃない)でしか見たことがないようなものばっかし。また近年見つかったスケイリーフット(足が硫化鉄の鱗で覆われた深海の貝。熱水噴出孔付近に生息)の標本や、どでかい深海魚や、サンシャイン水族館にいるデカいのと打って変わってちっこいサイズのリュウグウノツカイ、ケースにこれでもかと大量に積まれたテヅルモヅルやフウセンウナギ・怪獣みたいな顔の巨大なムツエラエイをはじめとした変な深海生物や奇妙な貝どころか寄生虫レベルのちっこいヤツまで、数多く展示されていました。標本なのでかなり姿が変わってしまっているものの、ここまで一度に見られる機会はそうあるものではありません。魚貝好きならいつ行くの?今でしょ!な展示でした。

標本じゃ物足りない!という方も会場では貴重な深海生物の生きて動いている映像が色々流れているのでお楽しみいただけるかと思います(しかも結構マニアックなヤツも。オオタルマワシの生きてる映像初めて見たわ)。それでも物足りなくなった方はその足で池袋のサンシャイン水族館や生ダイオウグソクムシの待つ葛西臨海水族園をハシゴするとなお良し。ちなみに深海展で一種類だけ、生きた生物を展示していますのでお楽しみに(ほとんど動かないから面白くないけどw)。

なお、チョウチンアンコウ類の標本もあるのですが、アレ見るたび男としてはなんか悲しい気分になるのです(´・ω・`)
※メスが馬鹿でかいのにオスがマッチ棒以下サイズ。しかもオスはメスに寄生して完全同化後、生殖器のみの存在になってしまうというカカア天下とか尻に敷かれているとかそういうレベルじゃない生き物です。

他にも、しんかい6500の実物大模型やその他調査艇、深海圧力がどれくらいすさまじいかや、意外に身近な深海魚(白身フライだとか安いキャビアの正体)について学べるので標本以外にも勉強になります。浅い海と深海の塩分濃度の変化の話は結構へぇーってなりますよ
( ・∀・)つ〃∩ヘェーヘェーヘェー

s_しんかい.jpg

しんかい!これだけでかいのにコックピットはめちゃくちゃ狭い


s_圧力.jpg

政府の深海の圧力に屈してしまった色々なもの


で、じゃあ化学的な何か紹介があるのかというとほとんどないです。というか化学式一切なし。潜水艇が沈まないようにするためのポリマーとか、深海生物の蛍光・発光の話や補色による隠れ方等はありますが、化学物質の名前等はほぼ出てきません。発光物質なんかは日本人のノーベル賞関係あるんだから紹介してもいいのにと思うのですが。ちなみに展示の最後の方にちょっとだけメタンハイドレートとレアメタルの話が深海に絡めて紹介されてるのですが、あれたぶん去年の「元素のふしぎ展」の使いまわ(ry

↓生物発光に関しては以前取り上げたのでこちらもよろしく↓
タコが光ってもいいじゃなイカ!−青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密−

展示では触れられていませんでしたが、深海はレアメタルやメタンハイドレートと言った資源だけでなく、新しい薬のアイデアも眠っています。Exiguolideというマクロラクトンは深海から採取された謎カイメンから発見された化合物で、これまでとは違った作用機序での抗がん活性を示すことが明らかになりました。無論、いちいちカイメンから取っていたら、ただでさえ貴重な深海資源が枯渇してしまうのでそこは合成することにはなります。ですが、地球上から生物活性な化合物が探しつくされ、合成しつくされたとまで言われる現代にあって、このような新しい分子をもたしてくれるあたりに、海の底の深さを感じます。深海は生物・資源・創薬など色々な面で注目され、研究がすすめられる領域でもあるのです。宇宙に出るよりずっと楽だしね。


exiguolide.jpg


と無理やり有機化学をねじこんでみましたが、実はほとんど話題に出なかった化学物質にあって、ヘモグロビンとヘモシアニンの話が軽く出てきます(厳密にはタンパクだけど)。ですが、これは展示会場を見ても出てこない、音声ガイダンス限定のお話です。気になる方は是非音声ガイドも試してみてください(案外展示と話がかぶらないので追加料金払うだけはありますよ)。

s_深海真綾.jpg

ナレーションは坂本真綾だぜぃヽ(*´∀`)ノ いゃっほう!!
となってテンションあがりまくってたのは内緒。
ちなみに隣のヒゲはダイオウイカ研究で世界的に有名
&生ダイオウイカ映像撮ってきたすごくえらい人


あ、お土産には是非「実物大ダイオウイカぬいぐるみ(20万円)」やこのためにデザインしたと思われる萌えキャラ化したダイオウイカたんグッズをどうぞ。
イカスミパスタとかも売ってたんだけど、水族館で船盛り出すような感じでそれはどうなのよと。
宇宙・深海・極地への挑戦! (世界にほこる日本の最先端科学技術 4)

法政大学自然科学センター 岩崎書店 2014-01-22
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