さて男性が多い生物・化学・工学分野ですがモノを作る学問であるせいか料理との相性が割とよい感じがします。そうでなくても弁当男子だの速水ナニみちか知りませんが若手男性が料理番組をやるものも増えている昨今、ホワイトデーのお返しも料理男子としての実力を見せつけてやれば「ステキ!」となるかもしれません。あ、貰えなかった人は涙拭いて。
さて理系男子としての料理はどうあるべきか、やはり実験器具や機械をふんだんに使ったザ・理系な料理をクリエイトするのが一般受けもしそうです。
例えばロータリーエバポレーター・エバポなんかは中程度の真空減圧によって、揮発性の香気成分を材料やピューレなどから飛ばしてエバポ玉にため込むことも出来るわけです。こうすれば材料由来の色が混ざることなく、香り分だけを集めることができます。また逆に低温で濃縮することもできるわけなので、加熱による風味等々を損なうことなくをエバポで濃縮もとい煮詰めることも可能です。
また恒温湯浴なんかはガスで沸かしたお湯と違って完全に一定の温度で温めることが出来るので安定した加熱が可能になりますし、遠心沈降機等は余計な細かい固形分を完全に沈めて上澄みだけを取ってくるのにとても使えます。
まーたアホなことを、とお思いでしょうが、これらは既に実際の料理の現場で用いられているのです。下ではアメリカ版料理の鉄人である「Iron Chef America」でのシーンで、バキュームシーラーで具材を封したり、サーキュレーターを使った料理が展開されています。
またエバポの料理的利用法は過去に「ぐるナイ」のゴチになります!で
都内レストランがスペシャル料理にサーキュレーターと合わせて使っていたのが放映されています。
更には下のような動画もあります。なんとこれ、エバポ等実験機器の世界的メーカーであるビュッヒの公式ムービーによるエバポカクテル・ソースの作り方なのです。メーカーもこういったアプローチでのレストラン・バー等への売り込みを積極的に始めたのでしょうか。年会ブースでも見られるかしら。
-------------------
2013年4月21日追記
動画が削除されてしまいました(´・ω・`)
ビュッヒホームページが動画を上げてくれるのを待ちましょう。もしくはビュッヒの展示ブースで期待。
-------------------
ちなみにニューヨークにはこういった実験装置を前面に押し出したバーもあるようで、下の動画では遠心分離機にエバポ、液体窒素などがふんだんに使われています。是非
ラボってついてるくらいだし)。
逆に研究室で使われている氷冷用の製氷機、おそらく"HOSHIZAKI"と書いてあるのが殆どかと思いますが、このホシザキ電機は業務用厨房機器として日本一、世界でもかなりのシェアを持っている会社(Iron Chef Amricaで出てる冷蔵庫などもよく見ると"HOSHIZAKI"と書いてある)なので、シェフの方からすれば実験室にこういうのがあるのは奇異に思うのかもしれません。余談ですがこのホシザキ電機、日本で初めて全自動製氷機を開発した会社だそうで、現在では星型やハート型の氷(ホシザキ電機 2013/3/13 accessed)を作る機械もあるそうです。
これを使って実験したら結果が変わるかも?(ないない
というわけで、実験器具は実験をするためだけのものではありません。発想を変えればこれまでにない独創的な料理を生み出すことが出来るのです。一家に一台エバポの時代(ぉ
高い打点から塩コショウをファサーとやったりオリーブオイルをドバァするだけでなく、理系男子としてピペットガイのようなマイクロピペットで厳密且つ微量の調味料を加え、エバポで減圧濃縮、サーキュレーターでの定温加熱調理で乙女の心をつかんでみるのもまた一興ではないでしょうか。
エバポ買う金で高級レストラン何回連れて行けんだよ、とかそういうそろばんを弾くのはやめるんだ!
ではさっそくエバポを買って試してもらいましょう(ぉ
ttp://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/47565/
でもその記事にあるようなのはどうなんでしょ、ほんとかな