よくアクセスがあるものをまとめておきました。右バーのカテゴリ別も参照ください。

レポート・実験データ等のまとめ
・研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた(現在も随時更新追加中)
・検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた
・特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
・MS WORDショートカットや特殊アルファベットの入力法まとめ
・Powerpointのショートカットキー
・出版社ごとのオープンアクセス化費用をまとめてみた(有機合成化学向け)
・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
・情報ソースはウィキペディア、な論文の話
・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
・アメフラシの紫汁の謎
・タコが光ってもいいじゃなイカ!-青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密-
・やけど虫の毒と抗がん活性
・世界一大きい花の臭いの話
・竜の血の赤、虫の赤
・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
・はじけるキャンディ・ドンパッチの話
・危険なDHMO? SDS(MSDS)の話
・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
・光延"反転"の話
・実験、爆発:やってはいけない組み合わせ
・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
・原料の不純物で反応が行ったり行かなかったりした話

大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2012年09月12日

タイトルの話

Asian JOCのFB企画「良い論文を書くコツ」シリーズ|第1回は「表題の付け方」 - この表題のどこがダメ?(ワイリーサイエンスブログ)

というワイリーサイエンスブログのエントリーが出てたのでちょっと思ったことを。

Graphical abstractのインパクトの過激化(?)が目を引く昨今ですが(JOCの萌え萌え表紙とか、左上のエントロピーたんハァハァ)、このエントリーにあるように表題の付け方ってとっても大事ですよね、別に論文に限らず本や記事だってそうですが、無粋でありきたりなタイトルを付けるのと興味を引くタイトルを付けるのとじゃ、中身が同じでも手にとって貰える確率が大分違います。最初「煎茶」で売り出していたものを「お~いお茶」に変えたらバカ売れしたのと同じ感じ。逆に奇をてら良すぎたりラディカルなものにしてしまえば炎上のネタになるわけで、ここら辺はバランスの難しいところです。
だからといって

3-Methoxypyrazoles from 1,1-dimethoxyethene, few original results

↑自分で言うなwwwっていうタイトルもどうかと思いますがw

さて最近思ったのは文章っぽいタイトルが増えたような、という感じがしてます。この辺はどうも分野に寄るような気もしますが、昔はそんなに合成分野にはなかったようなタイトルが増えたように思います。最近はライトノベルのタイトルも長文化してますし、それどころか政党名すら文章になってることを考えるとそういう時流なのかもしれません(それはない)。典型的なタイトルは動詞がない(動名詞とかは別)、例えば"Total synthesis of ○○"とか"○○, a sesquiterpene from ▽"とかなんですが、下のDanishefskyのものは

Total Synthesis of Peribysin E Necessitates Revision of the Assignment of its Absolute Configuration

と言った感じ。大半は"Total synthesis and structural revision of~"とか"Total synthesis and absolute configuration of~"なところに普段使わないnecessitateなんて動詞を使ってきたのでずいぶん印象に残っているタイトルです。

他で多いのは疑問文がタイトルになってるものでしょうか。

How Many Lithium Ions Can Be Inserted onto Fused C6 Aromatic Ring Systems?

や、前に二次軌道相互作用の話をしたときに挙げた

Do Secondary Orbital Interactions Really Exist?
Salvatella, L. et al. Acc. Chem. Res. 2000, 33, 658-664.


The Source of the endo Rule in the Diels-Alder Reaction: Are Secondary Ortibal Interactions Really Necessary?
Salvatella, L. et al. Eur. JOC 2005, 85-90.


もそのたぐい。読み手にも疑問を想起させて読む気にさせるナイス戦略。しかしこういうのを英語でやれるセンスがうらやましい。

逆にまるで説明になってないタイトルもあったり。"New synthesis of○○"ってあるのに何がニューなのか、手段も原料も書いてないものがあったりするとインパクトに欠けますね・・・はっ、実は「どこがニューやねん」と思わせて逆に読ませる巧妙な手段なのでは!!(ないない

で、なんでこんな話を書いたかというとwileyブログの他にこんなタイトルの本を見つけたからなので・・・↓

Catalysis (Wiley)

いやーザックリしすぎでしょこのタイトル

でもCatalysisの方の中身検索で目次見たらガチで全体的に網羅しにかかってるっぽいです。でももうちょっとなんとかならんかったのか・・・。なお2008年にもWileyから別の著者で同名の本が出ているがこちらはGreen chemistryにfocusを当ててる模様。Asymmetric synthesisは出版元のWileyのサイトを見るにどうやらこれ第二弾らしく、コンテンツを見るとC-H活性化やら無保護合成から解析手法まで最近の合成にも触れている様子。

以上、タイトルだけじゃ中身の良し悪しはわからんぞ、という話でした(あれ?
posted by 樹 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 有機化学雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック