10月頭までやってる国立科学博物館の「元素のふしぎ展」の話です。
で、感想ですが、正直舐めてましたw子どもも楽しめるし専門にやっててもどえらいマニアック。
特に各元素のコーナーにおいてある巨大結晶の実物はそれだけでも見ごたえのあるものでした。レプリカかと思うくらい。超純度の巨大結晶とそれを作るための超純度巨大るつぼとか「結晶のための展示」と言っても過言ではない位。
結晶でなくても、ネオン等のガス中で放電させたりという展示では、単に色の違いだけでなく、ちゃんと分光スリットも用意してあってスペクトルが見られるというマニアックさ。ウラングラスみたいな余り見られないものも置いてあるし、金銀銅+アルミの比重や各種合金を実際に触れるなど、充実した展示でした!
売店は売店でえれめんトランプだけでなく、元素生活グッズの「元素のふしぎ展」限定モデル(スーパー周期表のクリアファイル買っちゃった)、「結晶美術館」謹製金属単体結晶ポストカードなど魅力的なグッズが山のようにあってお金が足りません、
過去記事:ブランドモノ周期表Tシャツの話
ところで、こういう化学モノの展示をする場合、大概の場合はその安全性の確保ということもあって、本当に「展示」だけで済ませる場合が多かったりします。昔、ドイツのミュンヘンにあるドイツ博物館(科学博物館)に行ったことがあるのですが、そこでは大半が古典物理や工業機械などで、それらはちゃんと実際に体験出来たり(万有引力とか電磁誘導、蒸気機関や井戸を実際に動かして仕組みを理解するミニチュアモデルとか、「電気を通す球体内部に電気は伝わらない」ことを実証するために人が中に入って外部から高圧放電するというワイルドなイベントとかw)、体感しやすいも展示が山のようにありました。
その一方で化学のブースでは、違う色の二色の液体を混ぜると色が変わる、という無機錯体化学の、しかもボタンを押して二つを混ぜて「はい御終い」というものだけの実に寂しい展示でした(解説も三次元構造ではなく単なる反応式でおわり)。まあ有機反応は材料系でなければ色も変わることもないし形も見えないし、何せ反応が遅いので全くの不向きなので仕方ありませんけど。なおこの展示コーナーにて「この混ぜた後の廃液の処理大変そうだなー(´・ω・`) 」とか中の人のことを心配してたのはたぶん私くらいでしょうwまあそういう意味でも後処理の必要ない古典・電気物理の展示は圧倒的に維持が楽ですね。ちなみに生物系に至ってはこれ以下の単純なパネル展示のみで体験もクソもないという有り様、まあしょうがないか。
とまあ、「体験出来る」、「本物を見られる」化学展示会というのは少ないのですが、この「元素のふしぎ展」は子供から研究者まで楽しめる大変素晴らしいものでした。本物の金属Li、Na, Kも置いてるし(いいのかよ!とも思いつつ)、他にも普段見ることのない元素の実物も見られる他、金属を触ったり持ち上げたり、VTRでも普段ならとても恐ろしくてできない「液体酸素(※ちょっとした衝撃で大爆発します)」の調製とかもみられます(あくまで映像でですけど)。あと宝石もいっぱいあったし(*´Д`)、各元素の産地や取れる石の種類と言ったウルトラマニアックな情報もバッチリと言う地学クラスタ大歓喜な素晴らしさ。
というわけで
ちなみに上記のミュンヘン・ドイツ博物館はマジでお勧めです。化学はアレだけど、原理を理解できる機械模型や物理・化学・車飛行機その他色々+プラネタリウムまで入っていて、まともに見て回ったら2日余裕でかかるレベル。ドイツで城を見飽きたら是非行ってみてください、
Deutsches Museum(ドイツ博物館)
↑あんまりホームページのデザインがよろしくないのは昔から変わってない様子
独り言
このふしぎ展、TBSが協賛してるんなら「世界不思議発見」でやってくれよと、不思議つながりだし。契丹(科博の手前の美術館で特別展示やってる)の方の特集くむんならこっちもやってくれよー。視聴率トレルヨー?(ごく一部で)