というわけで有機化学の基本のまとめをば。
と言っても過去のものを掘り返すだけですが。
大概の有機化学の約束事等に関しては過去のやつにまとめてあるのでそちらをご覧ください。最初のやつは一年も前のポストか―、遠い昔のようですわ。
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
Fischer投影式を書きなおす方法について。
・ニューマン投影式の理解の仕方
Newman投影式の見方などについて。
・R/S表記やE/Z表記など
RS表記、EZ表記の分かりやすい(?)覚え方などについて。
Baldwin則がひっくり返った話
Baldwin則について、って言ってもまあ学部の授業じゃ関係ないか。
とそんな手抜きで終わらせるのもあれなのでちょっと追加。
Fischer投影図に関しては主鎖が縦になるようにするというのがルールとなっています。調べるとどうも上下に関しては別にどっちでもいいらしいですが、アルデヒドなど酸化度が高い方が上(aldoseなどの糖の場合アルデヒドが上)にする書き方が殆どですのでそれに倣っておきましょう。
で、過去に答案でたまに見たのですが、スペースの都合なのか主鎖を縦にしないで横でもいいじゃん、としてしまうものがあるのですが、こうしてしまうと全然違うものが出来てしまいます。sp3炭素が正四面体を描くように結合種を四方に出していることを思い出してもらった上でFischer投影図のルールに則ると、縦軸の二つの結合が下向きの結合、横軸二つが上向きの結合となるため、有名な例ですがグリセルアルデヒドを使って試すと、仮に主鎖を横にしてしまった場合には、正しいFischer投影図で書いたものの鏡像異性体(Enantiomer)になってしまいます。これでは正しい物が描けません。

これをよくFischer式で書かれるアルドース類に対してやってみた場合、D-グルコースのFischer図の背骨を描いたところで、その主鎖を寝かして書いてしまうとL-グルコースになってしまいますので注意。まあ横に寝かしてD-グルコースになるように書きなおすこともできますが、そんなメンドいことするくらいなら最初から縦に描いた方が・・・(clickで拡大)。

Fischer投影式からジグザグへの変換法については以下の論文でも同様の方法が薦められています。
Understanding Fischer Projection and Angular Line Representation Conversion
Moreno, L. F. J. Chem. Educ. 2012, 89, 175-176.
さて、学部生だけでなく院生も場所によっては校舎から完全に追い出されることもある冬、正月休み。家で休むのも良いですが、せっかく家にいるんだからNMRの残った帰属や修論、卒論など実験をしなくても進められるようなものをやっつけるいい期間でもあります。無論学部生は期末試験が待ってますのでこの時期にレポートや試験勉強等で固めておきましょう。
まあ休みをどう過ごしても問題はないわけですが、あまり余裕をかましすぎてこーんなことになっちゃわないように気をつけてくださいね・・・・
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