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2011年11月16日

はじけるキャンディ・ドンパッチの話

ドンパッチというお菓子をご存知でしょうか。キャンディはキャンディなんですが、普通の飴みたいな定形なものではなく、わかりやすく言えば色つきザラメみたいな状態で袋に入って売られていたもので、調べて初めて知ったのですがAGF(味の素)が販売していたそうです。分かりやすく言えば今も販売されている「わたパチ」(明治製菓)のはじけるキャンディ部分だけ売られていたようなものです。ハッピーターンの「ハッピー粉」単体販売みたいなもんですね(なんか違う

ドンパッチ.jpg


このドンパッチの最大の特徴はその発泡性。口に入れると中で飴が溶けると同時に音を立ててシュワシュワいい始め、炭酸飲料みたいな感じになります。その強さたるやシュワシュワなどという生易しいモノではなくゴゴゴゴといった強烈なもので、その発生したガスの勢いでアメの塊が破裂したり、ミサイルよろしく発射されて口内上あごに激突するなど、お口のなかの大惨事で悶絶することもしばしば。なお、これこそがドンパッチの醍醐味なので袋を開けて一気食い、金持ちの子ともなれば贅沢にも一気に2袋dopeするといったドMなブルジョアな食べ方が結構普通にされていました。

これがなんで発泡するのか長いこと不思議に思っていたのですが、答えは簡単、本当に炭酸ガスがキャンディの中に封入されていたのです。元々はアメリカのPop Rockという発泡キャンディに源流があるらしいのですが、溶解させたキャンディを高圧CO2に晒しながら冷却することで内部にCO2が閉じ込められるという仕組みだそうです。なるほど、粒ごとで活性が異なる(!)のはこういうことだったわけですか。

ちなみに発泡性キャンディにはもう一つあり、NaHCO3(重曹)と酸(基本的にはクエン酸)との中和反応によって引き起こすものがあります。なめているときになんとなくシュワシュワしてるなーって感じの微発泡性のはたぶんその類だと思います。

で、そのドンパッチをある日無性に食べたくなって探したのですが、どうにも見当たりません。どうももはや販売されていないようです。売れなかったんかなーと思っていたのですがどうも別に理由があるようで。

先に書いたようにドンパッチの発泡性は強烈で、破裂して悶絶するほど。このため都市伝説的な風評が広がり、「複数袋を一気食いすると腹の中で破裂して死ぬ」「子供が鼻に詰めて遊んでたら鼻血がでた」「お年寄りがショック死した」などの噂が絶えなかったらしく(一番最初のは私も聞いたことがある気が)、いつの間にか消滅してしまったようです。実際に人が死んだとかではないようなのでこんにゃくゼリーほどの理不尽な目にあったわけではないようですが、なんか納得行きません(なんだよもう食えねえじゃんちくしょう的な意味も含め)。今でも数は少ないものの発泡性キャンディは売られていますが、これらはどうなんでしょうね。発泡強度弱くしたりしてるのかな?

なお「PoP Rockを大量に食ったら胃が破裂して死ぬというのは本当か」というのは、あの有名な番組"Mythbusters"でも検証されているようです。もちろん結果は"Busted"です。





まあモノ食って死ぬような爆発なんてあるわけな・・・




噛んでいたチューイングガムが口の中で爆発して学生が死亡(GIGAZINE)(2011/Nov accessed)
(英語版別ソース)
Exploding Chewing Gum Blows Off College Student's Jaw (Fox News)
(2011/Nov accecced)
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12月5日にウクライナのキエフ工業短期大学研究所に通う25歳の学生が自宅で顔の口から下が吹き飛んだ状態で死亡しているのが発見されたそうです。

学生が噛んでいたチューイングガムが口の中で爆発したものと見られ、現場に残されていたガムには未確認の化学物質が付着していたそうです。この学生は普段ガムを噛むときにクエン酸をつけて口に入れるという変わった習慣があったそうですが、学生の部屋の中からガムに付着していた物質と同じものが見つかったため、誤ってクエン酸と爆発物とみられる物質を混同してしまったのではないかと考えられているとのこと。
(英語版では化学科の学生で、現場ではcitric acidのビンとは別の謎の化学物質のビンが発見されていると記されている)
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(゚д゚)

教訓
実験机でモノ食うべからず!!
でもこれ現場自宅なんだよな・・・なんで爆発物質持ってんの?あとそれと間違えるようなビンってことはクエン酸は試薬ビン入り?

・References
①ドンパッチと風評被害(昭和生まれだ、文句あっか!) (2011/Nov accessed)
②Pop Rock (wikipedia in English, 2011/Nov accessed)

posted by 樹 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 食べ物・料理化学 | 更新情報をチェックする
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