2017年12月06日

2017年有機合成化学論文オブザイヤーを勝手に選んでみた

気付けば2017年も終わりですよどういうことなの。
進捗どうですか

というわけで年末特番よろしく、2017年に出た有機化学系論文の俺的オブザイヤーを雑にどんどん載せていきます。「ザじゃねえよ、ジだろ」という突っ込みはテンプレ過ぎるので無視。

なお各部門3〜4報で合計20報近くもあるので大してセレクション感しない模様。
しかも大半日本人の論文になっちゃってど う し て こ う な っ た。
まあオブザイヤーというよりは今年出た役立ちそうな論文類が半分占めとるのでしゃあない。

これとは別に、今年読んで驚いた・インパクトのあった・面白かったなど一番好きな論文を学生が各日ブログで紹介する参加型プロジェクトがあります。空きはもう今週しかないけど投票による優秀発表者は豪華賞品がもらえるらしいので奮って参加しましょう。参加しなくても発表者のそれぞれのプレゼン(ブログだけど)もチェックしましょう。去年見たけどかなり面白いです、分野外でも読みたくなるような感じ。

今年読んだ一番好きな論文2017 Advent Calendar 2017


あ、ワシのこれに選ばれても賞品はないのであしからず(ぉ

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posted by 樹 at 11:00 | Comment(0) | 有機化学雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月21日

出ないはずの?エノラートの話 その2:高周期14族元素のエノラート

↓前回の続きー

出ないはずの?エノラートの話 その1:Bridgehead enolates

前回はねじれすぎて出なそうな橋頭位エノラートの話でした。
今回はちょっと変わった典型元素エノラートのケースです。

enolate 00 基礎sila.jpg

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2017年11月15日

出ないはずの?エノラートの話 その1:Bridgehead enolates

カルボニルは有機合成でも基本にして重要な化学であり、そのなかでもケト・エノール互変異性の話は必ず頭の中に入れておかないといけない話です。通常のカルボニルはケトンでもアルデヒドでもエノール型は不安定でケト型を取っています。そんなカルボニルに塩基を作用させると、カルボニル部位とのケト・エノール互変異性ならびに立体電子効果によって酸性度の上がったα位の水素が引き抜かれ、エノラートが発生します。エノラートは炭素にアニオンが局在したケト型カルバニオンとOに負電荷が局在したいわゆるエノラート型の2つの状態の共鳴構造によって負電荷が非局在化することで安定化しており、炭素―炭素結合形成反応として最も基本的な反応のひとつであるアルドール反応に重要な反応活性種です。
ところで関係ないけどカルバニオンなの?カルボアニオンなの?最近後者の方よく見る気がするけど(なお英語だと"カーブアナイオン")。今回は管理者権限によりカルバニオンに統一します(ぉ

enolate 00 基礎.jpg

しかしエノラートもなんでも出せるわけではなく、分子の構造などによってはその発生が困難な場合も存在します。そんななかで、はた目には「え、そんなとこエノラート出せないでしょ?」となるような場所でエノラートを発生させて合成に利用した例を紹介します。

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2017年10月10日

論文の訂正通知は本文PDFにくっつけといてくれませんかね

いやもうタイトルまんまです。なんでバラバラやねんと。
そんな話を各社の対応含めて。


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2017年10月01日

アリル位のC(sp3)-H酸化とC(sp2)の酸化の話

もうC-H activation(functionalization)が流行ってからだいぶ経ちますが、そもそもの大元のC-H官能基化はアリル位やベンジル位C-Hの酸化反応から始まっています。その理由は、お隣のオレフィンのπ軌道との相互作用によってたんなるC-Hであるはずが軌道相互作用のおかげで普通のアルキルC-Hよりも活性化を受けており、官能基化が容易であるためです。だからこそ何の活性化も受けていないC-H部位の官能基化が高難易度であり、現在も1研究分野として注目されており、界隈ではノーベル化学賞ワクテカってなっとるわけです。個人的にはまだまだ先だと思いますけどね、理由としてはここ2,30年の合成化学での受賞は大半工業化されてナンボな感じだからなので(だからこそ某アメリカにいるモジャってる人は工業的応用を推進していると予想)。←あ、完全にフラグなので発表後にプギャーしていいですよ

とまあそんなC-H官能基化の最新のものをまとめても面白くないので(何)、超古典であるアリル位sp3炭素のC-H酸化と、オレフィン側sp2炭素を参加してアリルアルコール類へと変換する反応について最近のものを含めておさらいしてみようかと思います。

ちなみにアリル位のC-H酸化反応の天然物合成への応用については総説があるのでそちらもご覧ください。

Allylic Oxidations in Natural Product Synthesis
A. Nakamura, M. Nakada
Synthesis 2013, 45, 1421-1451

allylicOxTop.jpg
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posted by 樹 at 00:28 | Comment(0) | 基礎有機化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする