2018年07月12日

全自動ろ紙ひだ折り機の話

先々週あたりに東京ビッグサイトに行ってきました。そうです、コミケです医療製薬関係の企業展示会であるインターフェックス・ジャパン、インファーマ・ジャパン、Bio Tech・ジャパン等々が同時開催されました。大学からもBioTech内「アカデミック・フォーラム」という形でいろいろな大学から参加しており、そこに出店(?)することになったわけです。とは言ってもその内容は言えません、写真撮影もダメだし(撮影だめだったのはBioTechだけっぽい)。

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基本的には医療やバイオ関係の企業展示なのでシーケンスの機械とか、製薬会社にしても製剤技術といった話がメインなので化学そのものやそれに関係する機械(HPLCはあるけどNMRとかはない、みたいな)の展示はほとんどないですが、原薬メーカーからの出店も多数ありました。まあ説明しなくても企業の方にとっては有名な展示会なので知ってる方も多いかもですが、他企業、製薬や化学、試薬メーカーなどなど多数の企業からもネタ探しに集まってきておりました。中国からの出店も多くチャイナパワーすげー感。エッペンドルフブースではピペッター型ボールペンとか、あのライカ(カメラが有名ですが顕微鏡とかのレンズもつくってるのよ)のボールペンとか小物もらって小躍りしてたり、大型機械とかわんさかあって企業展示会回るのたのしーってなってました。

(∩´∀`)∩←お前発表してコラボ探す側だろ仕事しろ


そして、それと同時開催でドリンク・ジャパンという展示会も開催されていました。やった!飲料新製品飲み放題や!と思ったら(それもちょっとあるにはあるけども)、飲料に関連する製造・精製ラインやボトリング・ラベリングの機械がメインでした(ペットボトル成型機・ご家庭でできる()オーダーメイド缶ラベルプリント&貼り機、木をめっちゃ薄く削ってそのまま酒ボトルのラベルシールにしちゃう北欧の会社などなど)。それはそれで大型機械で見てて楽しい。

他にも、ビールやワインのろ過・飲料の脱気技術もこうした展示に含まれており、ドリンク・ジャパンってくらいだから飲んだくれるつもりで立ち寄ったのがいい意味で裏切られて大変面白かったです。というわけで、BioTech展とかインファーマ展の話があんまりしにくいので、ドリンクジャパン展で見つけた面白い機械の話をしてお茶を濁すことにします(ぉ

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↑意味もなく欲しくなってしまった。こういうのも飲料関係技術なのよ。ほかにも3Mが中空糸フィルターによるラボ〜プラントスケールでの飲料水脱気システムとか出してたり、研究に結び付くネタは割と転がってたりするのです。

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2018年06月13日

でっかい保護基の話

(6/13 NAPOM資料、クマリン、Fmoc等追加、6/18 熱力学的→「速度論的」に訂正、7/15 「Tsoc」追加)

有機化学における分子合成では、安全に目的分子を合成するために弱い官能基を保護しながら進めていき、しかるべきタイミングで元の状態に戻す(脱保護する)といったステップがしょっちゅうです。このため、官能基ごと、耐性、脱保護条件といった様々なパラメータを持った保護基がこれまでに無数に開発されており、保護基だけでも広辞苑レベルの分厚い本が出来上がるくらいです。最近は天然物合成も保護基を使わない短工程合成がトレンドになっていますが、そうは言っても物には限度があるでよ。


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こうした保護基の中でも、官能基そのものの修飾による保護のほか、物理的なデカさも利用した保護基もいろいろ知られています。というわけで今回は保護基のなかでもでっかいやつを中心にまとめてみました。

なお、デカさを実感してもらうために略号による省略はなるべくしていません(さすがにメチルはMeで書いてますが)。


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posted by 樹 at 09:00 | Comment(2) | 有機化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月24日

トリアゾール環を機能素子として使った話 その2:環そのものを機能素子化した話

はい、大分あいだが開いてしまいましたが前回の続き↓

トリアゾール環を機能素子として使った話 その1:金属触媒反応への利用


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アジド―アルキンの[3+2]クリック反応で簡単に作れるようになった1,2,3-トリアゾール環。
前回は金属触媒反応への利用、トリアゾールをぶっ壊したりリガンドにしたりといった使い方でしたが、今回はもっとダイレクトに、トリアゾール骨格そのものを使った例をまとめました。

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2018年05月07日

トリアゾール環を機能素子として使った話 その1:金属触媒反応への利用

前回は急遽Publonsの話にしましたが、本来はこっちを先にする予定だったのよ(ヽ'ω`)
というわけで、前々回の続き(?)。

アジドを自在に区別して色々とくっつけた話

前々回はアジド基をコントロールして反応させる話をしましたが、その際メインとなっていたのはアルキンとアジドとの環化によるトリアゾール環の形成です。このトリアゾール環は極めて頑丈なので、簡便に2分子(以上)をくっつけるにはもってこいの反応のため、広く多用されています。

が、このトリアゾール環、「分子と分子を簡単にくっつける」というクリックケミストリーのお題目のせいか、単なる『分子と分子をくっつけるための接合部』という雑な認識しかされていないんではという節が多々あります。まあくっつけるという目的においては余計な事されると困るからそれはそれでいいんでしょうけど、あれだけしょっちゅう見るようになって簡単に作れるようになったせっかくの複素環なのに、何にも使えない使われないというのではあんまりな話。

ですがさすがにそんなわけはありません。
クリックケミストリーが頻繁に用いられるケミカルバイオロジーやメディシナル分野においてトリアゾール環(N1位置換、つまり真ん中以外のNで置換されたトリアゾール)はアミド結合部位の生物学的等価体となることが知られており、簡便に合成でき環構造による配向性制御が可能という点でペプチドミメティクス分子のデザインでも重要な素子となっています。

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T. L. Mindt, et al.
1,2,3-Triazoles as Amide Bond Mimics: Triazole Scan Yields Protease-Resistant Peptidomimetics for Tumor Targeting
Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 8957.


1,2,3-Triazoles as Amide-bond Surrogates in Peptidomimetics
CHIMIA 2013, 67, 262.


とはいうものの、さてこのトリアゾール、もっと他にも使い道は知られていないのでしょうか。
今回はそんな話をまとめました。
ところで一口にトリアゾールと言ってもclick chemistryで有名になった方は1,2,3-triazoleで、他にもNの位置が異なる1,2,4-triazoleがあります。これもこれで複素創薬分子とかであるのですが、今回は1,2,3-triazoleに話を絞ります。

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posted by 樹 at 09:00 | Comment(2) | 有機化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月24日

査読歴と紐付いた研究者プロフィールサービス・Publonsを試してみた

新年度始まりましたね(今更感)。と言いながら新年度っぽい話は一切しません(ぉ
ワシも残り少ない(たぶん)ので「沈まず」とか言ってるけどどうなることやら(ヽ'ω`)

さてそんなことはさておき、よせばいいのに例によって結構なボリュームのやつを投下しようとヒーヒー言いながら書いてたら、こんなのがちょうどChem-Stationから!

研究者向けプロフィールサービス徹底比較!(Chem-Station)

最近山のように押し寄せ、登録が必須になりつつあるプロフィールサービスが重要度順に紹介されています。特にORCIDは論文投稿にすでに必要だし、ResearcherID、Researchmapも公募や今後科研費申請とかにも必要になってきそうでなんか色々登録するもん増えて大変(;´Д`)
あ、CVにはこれらのリンクは貼ってます。

実はこの手の話、だいぶ前にしようとしてめんどくさいからやってなかったんですが、今回便乗する形であんまり書かれてなかった、ほかのサービスと比べて査読に特化したサービス・Publonsの話をすることにしました。

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posted by 樹 at 09:00 | Comment(0) | 化学とネット・PC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする