よくアクセスがあるものをまとめておきました。右バーのカテゴリ別も参照ください。

レポート・実験データ等のまとめ
・研究室に貼っておくと便利な表などをあつめてみた(現在も随時更新追加中)
・検索・計算に使える化学サイトをあつめてみた
・特殊記号の出し方・ショートカットキーまとめ
・MS WORDショートカットや特殊アルファベットの入力法まとめ
・Powerpointのショートカットキー
・出版社ごとのオープンアクセス化費用をまとめてみた(有機合成化学向け)
・ネットコンテンツを参考文献に挙げる話
・情報ソースはウィキペディア、な論文の話
・タダで読めるけど・・・-オープンジャーナルのあやしい世界
・最近のOLのはなし

材料化学・自然化学・疑似化学
・ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
・アメフラシの紫汁の謎
・タコが光ってもいいじゃなイカ!-青い毒タコ・ヒョウモンダコ科の秘密-
・やけど虫の毒と抗がん活性
・世界一大きい花の臭いの話
・竜の血の赤、虫の赤
・撤回された天然竜血分子が全合成で確かめられた話
・はじけるキャンディ・ドンパッチの話
・危険なDHMO? SDS(MSDS)の話
・水を脱水した話
・高校生が高価な薬分子を格安で作った、という話
・人工分子は天然に存在しないのか―抗がん剤分解物は妖精さんだった話―
・創薬分子が天然から採れた!!と思ったら・・・な話

有機合成化学実験
・Swern酸化の利点
・光延"反転"の話
・実験、爆発:やってはいけない組み合わせ
・モレキュラーシーブスは塩基か酸性か
・TBAFにモレシな話
・モレキュラーシーブスの乾燥法で収率が変わった話
・原料の不純物で反応が行ったり行かなかったりした話

大学講義の初級有機化学
・フィッシャー投影式をジグザグ式に変換する方法
・ニューマン投影式の理解の仕方
・R/S表記やE/Z表記など

2021年10月02日

GrammarlyとDeepLだけで論文だしてみた話

まだ生きてたの?このブログ(呆
というわけで>6か月振りの更新です。論文出してたり某誌で連載が始まったりプレスにリリースしたりしてる程度にはとりあえず生きてます。まだ沈んでないよー、たぶん。

さてその論文投稿、英語論文原稿の校閲は、これまで外部業者に出してきたのですが、金かかるのは置いといて、これ意外と困るんですよ。Submit前に校閲出して修正→submitするわけですが、出したやつがそのまま通る事なんてそうそうありません。このあとrejectされたりrejectされたりmajor revisionで無茶振りされたりするわけです。追加実験で本文原稿が増えたり追加項目で話の流れが変わったりすることもそうですが、別の論文誌、特に速報誌Communicationsから「フルペーパーとして出せ」と言われると、原稿も大幅に増強しないといけなくなります。となると、最初に投げた校閲が結局形を成さなくなる場合も。それとは別に個人的な事情として、金の出しどころが難しいタイミングだったので(なんで使途がやけに厳密に決まるんですかねこういうの)、外部英文校閲に出さなくてもどうにかならんものか、という状態になっておりました。

そんな中、英文のお手軽かつ(そこそこ)ちゃんとした翻訳を出してくれる機械学習型翻訳DeepLがそれなりに前から話題になっていたこと、そして機械学習型英文校閲サービスGrammarlyの評判も上がってきたこともあり、この二つを駆使して論文を書いてみることにしました。

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posted by 樹 at 09:45| Comment(0) | 化学とネット・PC | 更新情報をチェックする

2021年03月29日

一軒家みたいな形をした天然物の話

ビルやタワーのような建造物と同じように、ミクロな建造物ともいえる分子の形も有機無機にかかわらず人を惹き続けてきました。実用性や機能性とかはさておき形だけでも注目を集めるあたり、テンプレビルよりもどうかしてる(誉め言葉)形状の建造物が目立つのと同じ匂いがします。

そんな分子のなかで、3角形のシクロプロパン環と4角形のシクロブタン環がつながった分子構造は通称ハウサン骨格と言われています。"Housane"という名前からも分かる通り、シクロプロパンを屋根とした「家」の見た目からつけられています。いいの?そんな名前の付け方で。

housane05_ssz-housane.jpg

※ハウサン骨格自体には煙突もといMeは要りません(ツッコむとこはそこなのか


作り方にもいろいろあるんだとは思いますが、最近では5角形のシクロペンタンからの分子内SN2反応でトイメンの頂点とつないでハウサンのカルボン酸を100gスケールで作ってしまうという報告が出てきました。ウクライナが誇るEnamine社のグループですが、東欧・旧ソ連界隈ってこういうマニアックなことやってくるから好き。

Building the Housane: Diastereoselective Synthesis and Characterization of Bicyclo[2.1.0]pentane Carboxylic Acids
O. O. Grygorenko, et al.
J. Org. Chem. 2020, 85, 4, 2321.

なお、分子構造としては家のような平面ではなく、四角形シクロブタンを平面とした場合に屋根は紙面に対してほぼ直角に立っています。結構無理がある形をしてはいますが、『どう考えてもむりでしょこれ』という構造も自然界は作り上げてしまうのでないとは言い切れません。

天然物はどこまで歪めるか

そんな一軒家分子が最近出てきたので、その話を。

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posted by 樹 at 09:00| Comment(0) | 化合物・反応お名前 | 更新情報をチェックする

2021年03月06日

校正履歴が残ったSupporting Infoの話

2020年論文オブザイヤー回?知らない子ですねえ・・・・(完全にあきらめた


それはさておき、新しい論文が出た時、論文本体だけで(´つヮ⊂)ウオォォ!!!と盛り上がることが大半です。そりゃそうです。性善説で成り立ってるし、ニュースのソースとファクトまで全員が追ってないのと同じです。で、論文はそのためのファクトソースとしてSupporting Information (SI)という、論文本体とは別に用意されているデータ等を載せた別ファイルがあり、投稿時に提出が必須となっています。論文本文ばかりに目が行きますが、元々大変なのにこれまでの数々の輩のせいでデータチェックが非常にというか異常なレベルで厳しくなった今や、労力の大半がこのSI作成とデータ収集に費やされることになっています。でも偉い人ほどザルだな?

その一方、論文本体は購読しないと読めないですが、SIは多くの場合完全にオープンになっていて、誰でも読めるようになっています。そういう意味では、誰でも実験をトレースできるようなスタイルには元々論文誌はなっているのです。実際実験してると、実験方法の参照だったりデータの照合だったりで本文よりも見ることが多いのですが、SIって実はかなり適当で、著者ごとに体裁が大幅に違ってたりします。論文本体は投稿した先の論文誌フォーマットに従って直されるのにね。そのせいか、論文出版後にもかかわらず、SIとして完成稿になってない、特に校正途中と思われるファイルが出されたパターンも見ることがあります。
今回はそんなものを集めてみました。
(実際には探し回って見つけるほど暇じゃないので、これまでに見つけたコレクションから載せてます。コレクションしてる時点で暇人だな?


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posted by 樹 at 21:43| 研究・論文不正 | 更新情報をチェックする

2021年02月16日

化学系研究室における地震対策関連オープンアクセス記事ほかのまとめ (東京化学同人, 化学同人の関連記事無料公開を追記)

ご存じの通り東北で大きな地震が発生しました。
今また研究室での安全管理対策、耐震などを考え直す、または改めてチェックしているところも多いかと思います。

これに関連して、有機合成化学協会誌が過去の震災関連記事をオープンアクセスにしました。体験者が語る大変重要なことがいくつも書かれています。とりいそぎ、そのOA化のお知らせがてら、関連する雑誌なども併せて載せておきます。


【有機合成化学協会誌】
震災関連記事のオープンアクセス化について

熊本地震からの復興と教訓 (2017年, 石川 勇人, 西野 宏, 中島 誠, 小谷 俊介)
大地震に遭遇して (2011年, 桑原重文)
阪神淡路大震災 : 災害からの復興と教訓 (1997年, 加藤次裕)
阪神大震災からの復興 : 甲南大学有機化学研究室の事例 (1997年, 山田 隆己)


【日本化学会「化学と工業」】
未曽有の東日本大震災。心構えと必要な緊急対策 (2011年, 山本嘉則)



現代化学、月刊化学は出版社サイトですので各自ご購入ください(と書いてる本人も持ってないので買わないとこれは・・・特に2011年の現代化学9月号と月刊化学12月号)。ただし、だいぶ前のバックナンバーで在庫がどんなもんなのかが読めないので、大学図書館などで探したほうが確実かもしれません。


【東京化学同人】
研究室を地震から守るには━東日本大震災の教訓━ (現代化学2011年9月号)

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2021.2.18 追記

東京化学同人様から上記の無料公開のアナウンスがありましたのでリンク先を変更しました。



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【化学同人】
月刊「化学」東日本大震災の地震対策関連資料の公開 (月刊化学2011年12月号)

【特集】東日本大震災─科学者たちが語る被災体験と提言 (月刊化学2011年5月号)
【特集】理工系大学の「根本的な地震対策」を考える (月刊化学2011年12月号)
【特集】福島第一原子力発電所事故から10年──廃炉への化学のかかわり (月刊化学2021年3月号)
↑地震対策とは直接関係ないですが、関連の新刊ということで載せました

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2021.2.22 追記
化学同人様から上記の無料公開のアナウンスがありましたので上記公開リンクを追加しました。



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posted by 樹 at 00:11| Comment(0) | 事故・爆発・毒物 | 更新情報をチェックする

2021年01月03日

近況報告的ななにか

こっそり(?)場所移ったんですよ。そういうわけでなんというかですね、公私ですね、その

[金田一少年の事件簿] やることが多い.jpg

というわけで毎年やってた「論文オブザイヤー」の2020年版、マジで無理でした_(:3」∠)_
いや候補論文は年初から集めてていっぱいあるんですが、整理と準備までは_(:3」∠)_
まあこのブログ自体着弾して半年以上たってから始めたわけだし、落ち着くまでしばらくは仕方ないね( ˘ω˘ )
(突然の正当化
そんなわけで2020年論文オブザイヤー、年度内に上げるのを当座の目標にします・・・(震え声

年々更新頻度が下がってますが、今年は(これ除いて)4つは書きたいところ。他にも、前と同じことしててもアレなのでなんか新しい動きが出来たらなあ、と思ってます。
が、この出歩けない&外出学会もない状況だとそれもきっついな?あ、Youtuberはやーよ。

posted by 樹 at 21:15| Comment(0) | 有機化学雑記 | 更新情報をチェックする